『マトリックス』最新作ヒットスタートも、 『ワイスピ』など下回る

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マトリックス レザレクションズ
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『レザレクションズ』は姉のラナが単独監督

『マトリックス レザレクションズ』が12月17日から公開され、オープニング3日間で約4億3900万円を記録。週末興行ランキングで1位となるヒットスタートを切った。だが、今年の洋画の大ヒット作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(約7億9600万円)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(約6億1100万円)、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(約6億2400万円円)のオープニング興収を下回る出足だった。

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IMAX版、4D版、DOLBYCINEMA版でも上映。シネコンでの上映回数は通常は1日5回のところ、字幕版と吹替版を合わせて10回上映するところが目立つ。公開初日17日(金)午前0時に新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿、新宿バルト9、グランドシネマサンシャインほか全国31館で最速上映を実施。公開に弾みをつけた。

宣伝は、9月8日に特設サイト「What is the Matrix.com」で作品のビジュアルをアップしたのを皮切りにスタート。10日に予告編がサイトでお披露目され、11日にフジテレビで「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編 テレビ放送直前!『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編 特別編集版」が放送された際、テレビCMを流した。

その後、10月21日にお笑いコンビのかまいたちが出席したイベント、11月24日に武田真治、井上咲楽、こがけんが出席したイベント、12月7日にキアヌ・リーヴスとキャリー=アン・モスがリモート出演し、日本版インスパイアソングを手掛けたMY FIRST STORYのボーカル・Hiro、日本語吹替版に出演した柴咲コウが出席したイベントを催し、話題性を持続させた。また1作目を12月10日から16日までの1週間限定で初のIMAX上映を行った。

1作目の興行成績や評判が良くて続編が作られるわけだが、続編の結果が芳しくないことはよくある。1~3作目の推移を見てみる。全米興収は1億7150万ドル→2億8160万ドル→1億3800万ドル、日本の興収は78.8億円→110億円→67億円。3作目の興収が大きく落ち込んでおり、観客の評判が悪かった表れだろう。

新作『レザレクションズ』の監督はラナ・ウォシャウスキー。前3作を監督したラリー&アンディ・ウォシャウスキー兄弟は性転換し、兄ラリーはラナ、弟アンディはリリーと名前を変えた。本作は姉ラナが単独で脚本と監督を務める。リリーは「マトリックスの新たな物語に興味がない」と製作には参加していない。ラナ監督にとっては続編が不完全燃焼に終わり、改めて続編を作りたいと考えたのかもしれない。(文:相良智弘/フリーライター