9月28日の横浜公演から幕を開ける宮本亜門演出のミュージカル「ウィズ〜オズの魔法使い〜」。この舞台の主人公ドロシー役をAKBグループから選出する「AKB48プロジェクト全国オーディション最終選考」が7月2日に渋谷のさくらホールで行われ、AKB48の仲谷明香、梅田彩佳、増田有華、中村麻里子、NMB48の山本彩、SKE48研究生の斉藤真木子が最終オーディションに臨んだ。
ライマン・フランク・ボームによる児童文学の傑作「オズの魔法使い」は、これまでに幾度となく映画化や舞台化がされてきた作品。今回は、日本が世界に誇る演出家・宮本亜門の手によってミュージカル化され、キャスト陣にはISSA、エハラマサヒロ、森公美子、小柳ゆき、瀬戸カトリーヌ、陣内孝則といった豪華なメンバーが揃う。
そうしたなかで、主人公のドロシー役を選ぶのが今回のプロジェクト。オーディションにはAKB48、NMB48、HKT48、SKE48のAKBグループから116人のメンバーが参加しており、この日の最終オーディションには、1次、2次と審査を勝ち抜いてきた前述のメンバーたちが登場。ダンス、セリフ、歌唱審査に臨み、審査する宮本亜門に猛アピールした。
ひととおりの審査が終わった後、審査時間を経て宮本が登場。「ドロシー役は増田有華さんです」と宮本から名前を呼ばれた増田は思わず号泣する場面も。「ありがとうございます。私は演じることが大好きで、たくさんの人に幸せとか生きがいとかを舞台を通して届けることが夢でした。まだオーディションの段階ですが、『オズの魔法使い』という作品に出会えてすごく変わることができました。嬉しく思っています。今後一回りも二回りも大きくなっていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と喜びを爆発させた。
6人を審査した宮本は「いや〜今日は辛かったな〜。もう少し下手な人がいたら……」と独特の言い回しで増田以外の5人に労いの言葉。特に梅田と山本のダンスには感銘を受けたようで、2人には「ダンスの双璧」と温かい言葉を掛けた。また、勝ち抜いた増田には「今日の歌は聞いていて号泣してしまいました。愛に満ちていて壮大っていう世界がピュアに伝わってきましたよ。上手い下手という次元を超えたらお客さんが喜ぶ。それを増田さんとやっていきたいと決意したのが、歌が終わった瞬間かな」と絶賛しつつも、「これからはもっと厳しいよ」と喜ぶ増田に釘を刺していた。
その増田は「私が心掛けたのは、どんなことがあっても自分を出し切ること。120%出し切らなければと思っていました。負けるとか勝つとかというよりも、自分のなかで出し切れたと思います」と最終オーディションを振り返ると、「初めて黒髪をドロシー役のために染めてきて、髪もカットしてきました。ここまで風貌を変えたりしたことが初めてで、それだけ人生を賭けられるオーディションに出会えたことに感動しています。オーディションの余韻に浸ることなく、直ぐにドロシーの役をもっと現実化して自分のなかに落とし込めるよう、気持ちを切り替えて頑張ろうと思います」と意欲を見せていた。
ミュージカル「ウィズ〜オズの魔法使い〜」は、横浜公演が9月28日から30日までKAAT神奈川芸術劇場、東京公演が10月18から28日(22日は休演)まで東京国際フォーラム、大阪公演が10月上旬に梅田芸術劇場、名古屋公演が11月上旬に中日劇場でそれぞれ開催される。
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