愛憎劇『夫婦の世界』、1人息子の存在が離婚へ二の足を踏ませるが…。
イギリスで大ヒットしたBBCドラマ『女医フォスター 夫の情事 私の決断』の完全リメイク。家庭医学の専門医師チ・ソヌ(キム・ヒエ)は、優しい夫イ・テオ(パク・へジュン)と1人息子に囲まれ、充実した日々を送っていた。ある日、テオのマフラーに自分とは違う色の長い髪を発見し、浮気を疑い始めたソヌは女性患者に彼の尾行を依頼。その結果、地域の有力者の娘ヨ・ダギョン(ハン・ソヒ)との浮気の証拠をつかむものの、同僚や友人たちには周知の事実だったことを知る。傷つくソヌの前にダギョンが診察に現れ、妊娠も発覚。怒りを抑えられないソヌは復讐を決意し……。
・前世と現世、時を超えて貫く愛が切ない! 『ボーンアゲイン~運命のトライアングル~』
最初は“マフラーに女性の髪の毛がついたぐらいで”とソヌの疑念を少々大袈裟に感じたが、畳みかけるように様々な事実が明るみになり、気づいたときには深く彼女に共感してしまっていた。夫であるテオは映画監督で、ソヌの支援で小さな企画会社を経営しているという設定も面白い。
つまり、ソヌはかなりの稼ぎがある女性のため、離婚しても困らないものの、テオが息子を野球のキャンプに連れて行ってくれる様子などを見ては、二の足を踏んでしまうのだ。しかも、息子が両親の不仲にいち早く気づき始め、「引っ越しはイヤだな」「僕も転校するのかな」などと不安を吐露するシーンには、胸が締め付けられる。
復讐の本番が始まるのは、離婚してから!
友人たちがテオの不倫を知っていたという事実も辛いが、さらにテオは家を担保に借金をしまくり、息子の保険まで使い込んでいた。一方、ソヌが離婚の相談をする弁護士は浮気の証拠をつかむように促すものの、「絶対に夫に気付かれてはいけない」としきりに釘をさす。探偵は使わず自分で尾行しろ、など聞けば聞くほど大変なことだらけなのだが、離婚を考える人にとっては為になるドラマかもしれないと感じた。この夫婦は意外にもあっさり離婚するのだが、そこからソヌの復讐が本格化するのもおぞましい限りだ。
キム・ヒエVSハン・ソヒの演技が炸裂!
狂気の演技で2020年の百想芸術大賞でテレビ部門最優秀演技賞を受賞したキム・ヒエは、1967年生まれの女優。2014年には、映画『優しい嘘』とドラマ『密会』で立て続けにユ・アインの相手役をつとめ、話題になった。また、愛人役のダギョンを演じたハン・ソヒは、インフルエンサー出身の1994年生まれの女優。このドラマで注目を浴び、現在Netflixドラマ2作品で主演を務めている。
主人公2人以外の人間関係も散りばめられ、一瞬たりとも目が離せない展開の本作。冒頭の夫婦のイチャイチャぶりからの転落を思うと少し悲しくなる反面、夫が急に迫ってきたら何かやましいことがあるのかも、と疑ったほうがいいと肝に銘じたドラマであった。(文:渡邉啓子/ライター)
『夫婦の世界』
BS朝日:月~金 午前8:30~10:00 放送中
アジアチックドラマシティ:木・金 午前9:30~11:01 午後10:30~23:31(追っかけ放送)放送中
U-NEXTにて独占配信中
DVD-BOX1&2 各17,050円(税込)/レンタル中
発売元:ストリームメディアコーポレーション
販売元:TCエンタテインメント
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