テレビアニメ化もされ人気を博した和月伸宏原作のマンガ「るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚―」。この作品を実写映画化した『るろうに剣心』の特別試写会が7月9日に都内試写室で行われ、上映後に大友啓史監督がティーチインを行った。
これまでNHK大河ドラマ『龍馬伝』や『ハゲタカ』(映画・ドラマ共に)など数々の話題作の演出を手がけてきた大友監督。司会から、今回のマンガの映画化で意識したことはあるかと聞かれ「今までと違った作風なので、最初は『なんで自分にオファーが?』とは思ったけど、逆に気になったのも本心。『龍馬伝』の幕末を生きたキャラクターたちが、明治ではどう生きていくんだろうという意味でもね。やったことのないジャンルの作品で、当然、原作ファンの目も厳しい。そのハードルの高さにやりがいを感じました」と、闘志をかき立てられた様子。
製作中は「(『スパイダーマン』や『X-メン』など多数のヒーローを生み出したアメコミ出版社の)マーベルに負けない日本発のヒーローを生み出そう!」を合い言葉に頑張ったそうで、「僕は、不器用でも戦っている人が大好き。剣心は新しい時代に刀を捨てきれないけれど、もう人を殺したくないという矛盾した気持ちと葛藤しながら必死に戦っている」と、主人公への思いを吐露。
そんな主人公・剣心を演じた佐藤健については、企画時から原作者と「剣心は健しかいない!」という点で意気投合したと振り返った。佐藤自身も意欲的で、時間を惜しむようにアクションの練習をしていたそうだが、1度、ケガをしてしまったことがあったという。そのとき「練習が足りないからケガなんかしちゃって……。もっと練習させてください!って連絡をくれた」と明かし、「健君自身、剣心が大好きで、剣心を裏切れないと勝負をかけて挑んでいる姿に心打たれた。彼は、アクションが格好悪かったら役者をやめるとまで言ってくれて。監督冥利に尽きます」と話していた。
最後のメッセージでは「時代劇としてではなく、日本にないアクションエンターテインメントを目指しました。細かい工夫をしてチャレンジしながら作りました。そのディテールにも注目していただけると嬉しいです」とアピールしていた。
『るろうに剣心』は8月25日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
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