騎士道精神の崩壊と虚無に憑かれた若者の死! ロベール・ブレッソンの異色作を日本初公開
寡作ながら唯一無二の傑作を生み出してきた孤高の映画監督
フランスが生んだ孤高の映画監督、ロベール・ブレッソンの日本未公開だった傑作『湖のランスロ』と『たぶん悪魔が』が、2022年3月11日より全国順次公開されることが決定した。
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『抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より』(56年)や『スリ』(59年)、『やさしい女』(69年)などで知られるフランスの映画監督、ロベール・ブレッソン。プロの俳優をキャスティングせず素人を起用するなど、過度な演出を徹底的に排除する映像表現「シネマトグラフ」を標榜。ゴダールらヌーヴェルヴァーグの作家たちからも称賛され、寡作ながら唯一無二の傑作を生み出してきた彼のフィルモグラフィーの中でも、特に際立ってユニークなこの2作が劇場公開される。
1974年製作の『湖のランスロ』はブレッソンが長年映画化を夢見ていた企画で、中世のアーサー(アルテュス)王伝説に登場する王妃グニエーヴルと円卓の騎士ランスロの不義の恋を中心に、騎士道精神が崩壊していく様を現代的視点で描いた時代劇。
1977年製作の『たぶん悪魔が』は、環境破壊が進み、社会通念が激変しつつある中で、当時のニュース映像などを挟みながらひとりの若者の死を見つめる終末論的な作品だ。世界的な環境危機が叫ばれる今だからこそ観られるべき映画と言えるだろう。
前者はカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞、後者はベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞した紛れもない傑作でありながら、日本では特集上映などを除き、初めての劇場公開となる。
両作とも最新の技術を駆使したデジタル・リマスターにより、40年以上前の映像とは思えないクオリティを再現。『ロミオとジュリエット』(68年)『ベニスに死す』(71年)などの撮影監督パスクァリーノ・デ・サンティスが手がけた美しいビジュアルが見事にリニューアルされている。
『湖のランスロ』および『たぶん悪魔が』は、2022年3月11日より全国順次公開される。
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