伏線を張り巡らせた緻密な構成が高評価を得ている『運命じゃない人』『アフタースクール』の内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』。この映画の完成披露舞台挨拶が8月1日にイイノホールで行われ、堺雅人、香川照之、広末涼子、森口瑶子、内田けんじ監督が登壇した。
内田監督作には『アフタースクール』に続く出演となる堺は「『アフタースクール』は込み入った話で、(台本を)1回読んだだけじゃ全然意味がわからなかった。でも、それを監督に正直に話すのも恥ずかしいので、わかったふりをして現場に行っていたが、あるとき『実はあまり意味がわかっていないんですよ』と常磐貴子さんに打ち明けたら『実は私も』という話になり、それを聞いた佐々木蔵之介さんも『俺もちょっと……』となった。誰も分かっていなかった(笑)」と告白。だが本作は、前作とは異なるようで「台本を読み、1回で意味がわかってよかった」と笑顔をのぞかせた。
その台本について香川は「面白い台本はアドリブを出さない方がいいんです。ほぼ100%と言っていいほど、脚本の“て、に、を、は”にまで忠実にセリフを言ってます」と、完成度の高さをベタ褒め。
笑顔を封印したという広末は「ここまで感情を表情に出さないことは現場に入って知ったので、封印するのが大変でした。しかも、香川さんと堺さんがこっちが吹き出してしまいそうなお芝居をするので、視界に入っているんですけど、意識しちゃいけないっていう気持ちで、マイペースに芝居をさせていただきました」と苦労を語った。
すると堺から、そんな広末の撮影について「可愛すぎるからNGがあったんです」と衝撃発言が。内田監督も「普通に可愛いからダメですねっていうのがあった」と話し、堺の言葉を裏付けていた。
一方、内田監督作に初参加となる森口は「話をいただいたときは内田監督って偏屈でイヤなおじさんなのかなって思っていたら(笑)、いつも柔和に楽しく細かく演技指導をされる。とても楽しい生活を送らせていただきました」と振り返った。
また、この日は主題歌の吉井和哉も登壇。完成作を見たそうで「本当に面白くて、随所に内田監督が音楽が好きだというところが出ていた。特にロックが」と語ると、「ぜひ今度は出演させてもらいたい」と直訴。
最後に内田監督は「気楽に楽しんでいただくために一生懸命作った。メインのキャストはもちろんですが、ワンシーンしか登場されない役者さんも個性的で魅力的な方がたくさん出て来るので、ゆっくり楽しんでください」と映画をアピールしていた。
『鍵泥棒のメソッド』は9月15日よりシネクイントほかにて全国公開となる。
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