SONY CES2022
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SONY、今年はEV事業に本格参入へ

世界最大の見本市の一つ「CES 2020」が1月5日より開幕した。主催はConsumer Technology Association(CTA)。もともと「CES」は国際家電見本市(Consumer Electronics Show)と称し、年頭にその年の家電のトレンドを占うイベントだったが、近年は新しいテクノロジー全般を扱うようになっている。

その中でソニーは「より人に寄り添うモビリティ」を目指して、安心・安全やエンタテインメントといった切り口での電気自動車を開発する取り組み「VISION-S」の一環として、SUVタイプの試作車(VISION-S 02)を展示した。

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ソニーは、本コンセプトを実社会で実証すべく20年12月には欧州で公道走行テストを開始、車内外に搭載されたイメージング・センシング技術やヒューマンマシンインタフェース(HMI)システム等の安全性やユーザーエクスペリエンスの検証を進め、21年4月には5G走行試験を開始していた。

今回のCES 2022で発表・展示した車両VISION-S 02は、公道走行試験等を展開しているプロトタイプ(VISION-S 01)と共通のEV/クラウドプラットフォームを採用し、広い室内空間を用いたエンタテインメント体験や7人乗車のバリエーションなどを通して、価値観が多様化した社会でのモービル・エンターテインメントのあり方を問うものとなっている。

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具体的には、ソニーが持つCMOSイメージセンサーや360度に張り巡らされたセンサーを活用した安全技術や、スマートフォン開発で培った通信技術、音声のみならずゼスチャーでのコマンドへの対応、パノラミックスクリーンや「360度 Reality Audio」での映画やPlay Stationでのゲーム体験などを搭載している。

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この「VISION-S」を具現化するため、ソニーはこの春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立し、EV事業参入への足がかりを築くと宣言した。

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テレビの映像と音にも萌芽が

「VISION-S」を具現化するモービル・エンタテインメントの技術的ベースになりそうな機能が、ソニーのテレビBRAVIAシリーズの22年モデルにも見られる。

核になるのが、ソニーの提案するAI技術。人の脳のように認識する認知特性プロセッサー「XR」だ。発想の原点は、20年も前に脳が質感を感知するハイエンドシリーズ「クオリア」を発売した頃に考えられた「超解像」に遡る。カメラのαシリーズでも、レンズでズームすることなく解像感を保ったまま拡大する「全画素超解像ズーム」を搭載するなどこだわってきた。この認識特性テクノロジーを活用し、映像と音で没入体験へと誘う。

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今回発表されたのは、Master SeriesモデルのMini-LEDの8KテレビZ9K、4K版のMini-LEDテレビX95K、新型OLEDパネルQD-OLED搭載のA95Kや42インチと48インチのA90Kのほか、直下LEDモデルX90KやOLED A80Kだ。

Mini-LEDは、テレビの光源であるLEDバックライトの密度を高めてよりきめ細かく制御することで、明暗の幅を広く取ろうとする技術(XR Blacklight MasterDrive)を生かせる近時流行のパネルだ。

一方、映像に釣り合う臨場感ある音を再現するために、スピーカーをテレビのフレーム下に仕込むのでなく、フレーム全体がスピーカーとして機能する仕組みとし、実際に劇場でスクリーンに対面したときに全方向から音が聞こえてくるように聞こえる技術(Acoustic Multi-Audio)を搭載している。

この技術は、スピーカーを追加しなくても360度の立体音場として聞こえたり、サウンドバーやネックバンドスピーカーなどと組み合わせてもそれらが一部として統合されて機能したり、専用アプリで耳の形を分析して音作りを変えたりも出来るという(360 Spatial Sound Mapping)。 

また、今年のAWARDにもノミネートされているが、「BRAVIA CAM」というカメラをテレビに後付けすれば、近年流行している音声による操作のみならず、ジェスチャーでも操作できる。さらに、人の座る場所を感知してその位置で自然に聞こえるよう調整も施すという。このあたりは明らかにEVを意識した機能と考えられる。

さらに、「Netflix Adaptive Calibrated Mode」を搭載し、部屋の外光や照明環境が変わってもXRセンサーで輝度を最適化することで、Netflixの映画をよい環境で鑑賞できる機能や、PlayStation 5と自動的に連携しゲームの世界ならではの映像を4K HDRで最適化する技術なども搭載し、コロナ禍も踏まえて加速する仮想世界でのリアリティを促す仕組みも備えている。

リアルとバーチャルが垣根を越え、臨場感が体感から脳での感知の仕方にシフトしていくことを予感させる発表だ。(文:fy7d)