熱狂的なファンをもち、各方面でその才能が高く評価されている劇作家兼演出家の赤堀雅秋。その初監督作となる『その夜の侍』が、現地時間9月1日に第36回モントリオール世界映画祭・ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門で上映され、上映後に赤堀監督がティーチインを行った。
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同作は、最愛の妻をひき逃げ事件で亡くした男(堺雅人)とひき逃げ犯(山田孝之)の対峙を通じて、人間の滑稽さや狂気をあぶり出した作品。ティーチインで赤堀監督は、「この物語は元々、舞台の戯曲を映画化したものですが、震災後ということもあり、改めて再生の物語として描きたいと思いました」と語った。
また、ひき逃げ犯の役柄について「彼の持つ特殊性について」や「モデルがいたのか」と聞かれると、赤堀監督は「特にモデルはいません。僕が生まれ育った(千葉県)サエない地方都市にいそうな輩(やから)ということで、その雰囲気や匂いを出したつもりです」と答えた。
さらにタイトルにある“侍”という言葉について、「侍とは日本において生き方の美学の意味合いもある言葉。現代の僕の侍、つまり美学とは何かと考えたときに、この作品の登場人物のように、無様で愚かでも生きていくというのが、僕の侍の美学だと思いました」と話していた。
第36回モントリオール世界映画祭は、8月23日〜9月3日に開催。ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門は、初監督作品を集めた部門。また、『その夜の侍』は11月17日より全国公開される。
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