大震災による原発事故の恐怖を描いた人間ドラマ『希望の国』が、三陸映画祭のクロージング作品に選ばれたことが明らかになった。同映画祭は、宮城県気仙沼市で10月5日〜7日の期間で開催。市内の既存のホールのほか、東日本大震災で被災した建物も劇場として使用される。
・原発事故を描いた園子温監督最新作がトロント映画祭でNETPACアジア最優秀映画賞受賞
鬼才・園子温の監督作『希望の国』は未だタブーの原発事故に踏み込んだ問題作で、先月行われた第37回トロント国際映画祭で、アジア映画としては唯一受賞を果たすという快挙を達成。最優秀アジア映画賞を受賞し、話題を呼んだ。
映画祭実行委員の堺丈明気仙沼プラザホテル支配人は、「気仙沼は、あの日、未曾有の災害に襲われ、次第に広がる絶望感に気持ちが焦りました。そして津波の被害だけかと思った矢先、福島県の原発が爆発したとの報道に、更なる絶望感を覚えました。それから1年半が経過し復旧が進むなかで感じられる震災の風化。忘れてはいけないという思いが芽生え始めたとき、園監督の『希望の国』に出会いました。園監督が伝えようとする被災地の現状を全国の皆さんに知っていただき、忘れないで欲しい、心からそう願います」と選出の思いをコメント。
一方、園監督も「だから頑張れとみんなに言いたい。今は誰も頼るわけにはいかない時代。国も偉い人も助けてくれない。だから頑張れと。この映画祭に乾杯」とコメントを寄せた。
『希望の国』は10月20日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
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