園子温監督、次回作にはソフトバンク犬を起用!? そのオーラに「思わず駆け寄った」

園子温監督(中央)
園子温監督(中央)
園子温監督(中央)
トーク中の園子温監督

原発事故が社会に及ぼす影響を真摯に描いた園子温監督作『希望の国』の試写会が10月13日に早稲田大学で行われ、鬼才監督として知られる園監督が学生たちと熱く語り合った。

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「原発映画をテーマに監督と語る!」と銘打たれたこの日の試写会。学生たちの熱気に満ちあふれた教室に姿を現した園監督は、劇中で使われたマーラーの「交響曲第10番 第1楽章 アダージョ」に感動したという学生に「マーラーの音楽は曇り空にうっすら陽が射してくるイメージ。でも、スクリーンはあなたの気持ち次第で希望にも絶望にもなる。僕は映画は巨大な質問状だと思っている」と語りかけた。

また、「感動にはいろいろあって、今の日本映画では、なぜか“泣ける”ということが感動ということになっています。でも、黒澤明さんや今村昌平さんたちは“泣かせる映画”を作ってはいなかった」と、“感動”の本来の意味について説明。「昔の巨匠は泣かせるために映画を作ってはいない。僕は、2012年に原発のことを少し考えるという“感動”を引き起こしたかっただけ」と製作意図を口にしてから、「もし自分が福島に住んでいたらこういう気持ちになるのだという“感動”を感じてほしかった」と語りかけ、学生たちも熱心に耳を傾けていた。

この日は製作裏話も披露。園監督は、犬のオーディションにソフトバンクのCMで知られる犬も来ていたことを明かし、「ものすごいオーラを放っていた犬がいて、なんとそれがソフトバンク犬だったんです。僕は思わず駆け寄って『会いたかった』と握手して2ショット写真も撮りました」と意外にお茶目な素顔も披露。だが、「隣の家の犬」という設定にオーラがありすぎるソフトバンク犬は不向きだと判断したことを説明。「今回はやめにして、次回、きっと君を映画に出す。一緒に映画を作ろうねと約束した。その約束は守らないとね」と話し、次作への期待を誘っていた。

『希望の国』は10月20日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。

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