興行収入31億円をたたき出した『カメラを止めるな!』(18年)で頭角を現した新鋭・上田慎一郎監督の最新作『ポプラン』が現在公開中。ムビコレでは、上田監督のインタビューを掲載中だ。
・突然“アレ”がなくなった男の自分探しを追う/『ポプラン』上田慎一郎監督インタビュー
「見る人の価値観によって受け取り方が変わる映画になってくれたら」
漫画配信サービスを行う企業を経営する田上。成功者として注目される彼は、ある朝自分のイチモツが失くなっていることに気づく。困り果てた末に同じ境遇の人々が集う「ポプランの会」に参加した田上は、6日以内に捕獲しなければ致命的な事態に陥ることを知り、かすかな夢の記憶を頼りに家出をしたポプランの行方を追うことに。
“イチモツの家出”という独創的な物語である本作品。映画作りの発端は、10年前に思いついた奇抜なアイディアがきっかけだったという。「“ある朝起きたら自分のアレがなくなっている”から始まる物語を書こうと考えて、その時に脚本まで書いたんです。そうしたら自然と『自分の地元に戻って…』というロードムービーになりました」。
アイディア自体はあったものの、「当時はお金もなかったですし、映画になる感触がつかめなかった」と話す上田監督。10年間企画を寝かせたのち、映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」から声がかかり、企画が通ったことで今回映画化に至った。
本作のテーマや伝えたいメッセージなどは、解釈の幅を狭めたくないという理由から「秘密」としながらも、「例えばいろいろな感想があって、男性が唯一コントロールできない、もしくはできない時がある部位ってポプランなんですよ。そういうことを感じたとか。あとは、男女問わずに年をとるにつれて自分自身の体が言うことをきかなくなってくるじゃないですか。そういうことを感じましたとおっしゃる方もいました。他にはジェンダー観を感じたという方もいらっしゃいましたし、男性らしさを取り戻す話にも見えるし、男性らしさから解放される話にも見える」と、様々な受け取り方があったことを話す上田監督。「見る人の価値観によって受け取り方が変わる映画になってくれたら」と話してくれた。
最後に、「あらすじを聞いて『何それ?』と思うかもしれませんが、そこからは想像できないような上質さを目指した映画となっています。子どもからお年寄りまで楽しめますし、見る人によって感想が変わる映画かなと思っていますので、見た方同士で語り合うところまで楽しんでいただけたらと思いますね」とこれから見る人へのメッセージを語った上田監督。自分の目には“ポプラン”がどのように映るのかにも注目して本作を楽しみたい。上田慎一郎監督のインタビュー全文はこちらから!
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