『クレッシェンド 音楽の架け橋』だけじゃない! 名曲「ボレロ」が命吹き込む映画4選
#クラシック#クレッシェンド 音楽の架け橋#ダニエル・バレンボイム#マジック・イン・ムーンライト#愛と哀しみのボレロ#愛のむきだし#音楽
「ボレロ」をモチーフにした4つの映画を振り返る
ダニエル・バレンボイム率いる管弦楽団へのインスパイアから生まれた映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』が1月28日より公開される。本作品では、ヴィヴァルディの「四季」、ベッヘルベル「カノン」、ラヴェルの「ボレロ」など多くの名曲が登場する。そこで本稿では、「ボレロ」が流れる映画4作品を紹介する。
・まるで「ロミオとジュリエット」? パレスチナとイスラエルの男女が水中キス…民族の対立を超えた恋の行方とは?
▲ラヴェル「ボレロ」(ダニエル・バレンボイム指揮:ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団BBCプロムス2014より)
『愛と哀しみのボレロ』(81年/フランス)
半世紀の時を超え、運命の糸に結ばれた4家族の物語。ベルリン、モスクワ、パリ、ニューヨークを舞台に、ルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)といった芸術家たちをモデルに作られた。
管弦楽曲として演奏されることの方が多い「ボレロ」が、元々のバレエ作品として再び脚光を浴びることになったのがこの『愛と哀しみのボレロ』。20世紀最高の振付師モーリス・ベジャールによる“ボレロ”が大きな話題を呼んだ。
『愛のむきだし』(08年/日本)
『冷たい熱帯魚』(11年)や『ヒミズ』(12年)の鬼才・園子温が237分の長尺で描いた奇想天外なラブストーリー。主演を西島隆弘(「AAA」)、ヒロインを満島ひかりが演じる。
主人公ユウが運命の女ヨーコに出会うまで、ある理由から様々な“罪作り”を繰り返す場面で「ボレロ」が度々流れる。同じ旋律の繰り返しが功を奏し、2人がついに出会うシーンで楽曲が最高潮に。そして作品タイトルが出てくるという、波乱の物語の幕開けを感じさせる劇的な演出になっている。
『マジック・イン・ムーンライト』(14年/アメリカ・イギリス)
ウッディ・アレン監督が1920年代の南仏リゾート地を舞台に描く、コリン・ファース、エマ・ストーン出演のロマンティックコメディ。
「ボレロ」が流れるのは、天才的な腕前のマジシャン、スタンリーのマジックショー。盛り上がりを見せる人体切断マジックのバックミュージックに演奏され、英国人のスタンリーが中国人に扮してマジックをするという怪しさ漂うショーではあるが、会場の荘厳さとオーケストラの曲が相まって優雅さを醸し出している。
『クレッシェンド 音楽の架け橋』(19年/ドイツ)
実在の管弦楽団へのインスパイアから生まれた、世界中の映画祭で観客賞に輝いた感動作。長きにわたり紛争が続くイスラエルとパレスチナから、音楽家を夢見る若者たちを集めて結成した和平オーケストラを描く。
彼らがコンサートで演奏する演目の一つが「ボレロ」だ。曲全体が「クレッシェンド」で構成される「ボレロ」は、若い音楽家たちの人間的な成長が描かれる本作品をまさに象徴する曲として位置づけられている。
『クレッシェンド 音楽の架け橋』は、1月28日より公開される。
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