手塚眞を特集! 父・手塚治虫のタブー漫画を稲垣吾郎と二階堂ふみで映画化した最新作から伝説のデビュー作まで
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『ばるぼら』手塚眞監督、連日トークショー
著名な映画監督の“原点と現在”を探る代官山シアターギルドのシリーズ企画が、第2弾で手塚眞監督を取り上げる。1月22日から27日まで、手塚監督の長編デビュー作『星くず兄弟の伝説』と最新作『ばるぼら』、さらにそのデビュー作から30年後に作られた『星くず兄弟の新たな伝説』が特集上映される。
・稲垣吾郎の自在な魅力が作り出す、手塚治虫原作『ばるぼら』の世界
初日と22日は、『星くず兄弟の伝説』上映後に高木完、手塚監督によるトーク。同じく22日『星くず兄弟の新たな伝説』上映後は、ISSAY、手塚監督がトーク。また23日は、開場時間を16時と早め、シアターギルド館内に配置された世界の名だたる建築家、デザイナーの椅子を楽しみながら、上映時間までシアターギルド特別バーテンダーによるカクテル「ばるぼら」が楽しめる。また、22日〜27日の会期中は、上映後に連日、手塚監督がトークショーに登壇する(※22日は手塚監督、諸事情により欠席とのアナウンスあり)。
特集上映にあたり手塚眞監督がコメント(原文)
映画作家の「過去」(デビュー作)と「現在」(最新作)を見せるという特集。
いや、すでに上映された映画はすべて「過去」に違いない。作家の「いま」は、これから作る映画だから。だけれども過去の作品はときとして「いま」以上に本人に語りかけてくる。「君の映画はここにあるよ」と。きっとぼくの映画たちは、本人以上に自分のことがわかっているのだろう。
デビューの頃、ぼくはまだ24歳で、若くて愚かだった。愚かだったから、『星くず兄弟の伝説』を作ることができた。今となってはそれが誇りだ。歳を経て、もう一度愚かな若造に戻りたいと思った。その気持ちを具現化したのが『星くず兄弟の新たな伝説』だ。しかし愚かさを演ずるのはなかなか難しい。演じない自分の気持ちに自然に従ったら、『ばるぼら』が出来た。若くもなければ愚かでもない が、いまはそれが心地よい。
ぼくの映画はわかりにくいという観客がいらっしゃるが、自分ではごくシンプルだと思っている。『星くず兄弟の伝説』は「ポップ」というものを映画で表現したかった。続編『星くず兄弟の新たな伝説』では「ライブ」というキーワードで演出した。『ばるぼら』は「愛と狂気」。それ以上のなにものでもない。
『星くず兄弟の伝説』と『ばるぼら』。
一見真逆のような作品ですが、実はふかい関係にあります。無かったことにしていた不幸なデビュー作から30年経ち、心機一転『ばるぼら』を作ろうとしていたのですがなかなか実現せず、そこへ降って沸いたように続編『星くず兄弟の新たな伝説』を作るハナシになって、『ばるぼら』はお預け。そのとき再上映された『星くず』旧作にハマったプロデューサーのアダム・トレルさんが各国の映画祭に売り込んで、世界のカルト・ムービーにしてしまった。その勢いで『ばるぼら』のプロデューサーも買って出てくれたのは、撮影監督クリストファー・ドイルさんと仕事をしたことがあったから。つまり『星くず』 がなかったら『ばるぼら』もなかったかもしれないという不思議な縁なのです。
『星くず兄弟の伝説』
ドジで短気だがお人好しのシンゴ(久保田しんご)と、キザだが優しい二枚目半のカン(高木完)は、ライバル同士。2人に目をつけスカウトしたのが、音楽界を牛耳る黒幕アトミック南(尾崎紀世彦)だった。アトミック・プロを訪ねた2人は、歌手志望の少女マリモ(戸川京子)と出会う。南はシンゴとカンを、2人組のミュージンャン“スターダスト・ブラザーズ”としてデビューさせる。マリモは彼らのファンクラブの会長となった。南の戦略でマスコミは“スターダスト・ブラザーズ”を、あっという間に当世の人気スターに仕立てあげるのだが……。
サンプラザ中野、タモリ、島田伸介、前田日明、石上三登志、景山民夫、高田文夫、中島らも、戸川純、川崎徹、森本レオ、永島慎二、モンキー・パンチ、高橋葉介、黒沢清らがカメオ出演して話題となった。
『星くず兄弟の新たな伝説』
かつて“スターダスト・ブラザーズ”として一斉を風靡したカンとシンゴ。東京の下町にあるバーのオヤジとなったシンゴは過去の栄光を夢見、「地球がダメなら月でもう一度スターに!!」との思いで、売れっ子DJとして活躍するカンを誘ってリ・エイジングスタジオで若返り、月へと旅立つ。月世界で彼らを迎えたのは、どうしようもなくダメな芸能プロダクション「アストロ・プロモーション」だった。新・星くず兄弟の初ステージは場末のショーパブで、すっかり意気消沈した2人に酔っぱらいの老人が「スターになりたかったら〈ロックの魂〉を探せ」と声をかけるのだが……。
リリー・フランキー、綾小路翔、高田文雄、庵野秀明、犬童一心、黒沢清、林海象、浦沢直樹、石井岳龍、サンプラザ中野くんらがカメオ出演している。
『ばるぼら』
手塚治虫が70年代に発表した大人向けマンガ「ばるぼら」は、禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど様々なタブーに挑戦した問題作。その映像化不可能ともいわれた題材を、稲垣吾郎と二階堂ふみで手塚治虫生誕90周年を記念して初めて映像化された。昨年21年に完全受注生産で発売されたBlu-rayは完売しプレミア商品となっている。
手塚眞監督特集上映は、1月22日〜1月27日に代官山シアターギルドで開催される(https://theaterguild.co/movie/)。
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