台湾版『聖者の行進』の衝撃…実話ベースの聾(ろう)学校性暴力事件
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『無聲 The Silent Forest』…見るも辛い告白シーン
聾(ろう)者の性暴力被害者を見事に演じ、第57回金馬奨の最優秀新人女優賞、2021年台北映画祭で最優秀新人俳優賞を受賞したチェン・イェンフェイ(陳妍霏)の主演映画『無聲(むせい) The Silent Forest』が1月14日より公開中だ。このたび、イェンフェイが演じるのがもっとも大変だったと語る、性被害を涙ながらに告白するシーンが公開された。
・台湾の衝撃作『無聲 The Silent Forest』を阪元裕吾監督が絶賛!
台湾南部のろう学校で実際に起きた、性的暴行・セクシャルハラスメント事件を題材に『無聲』を撮ったのは、本作品が長編初監督作となるコー・チェンニエン。事件について綿密な調査を行い、事実を一人でも多くの観客に伝えるため、映画化に踏み切った。
世間から多くの批判を受けかねない、深刻な社会問題を描くことに挑戦する監督を支えたのは、ユー・ベイファ、チュウ・ヨウニンの敏腕プロデューサー2人。本国では、教育者や政治家をはじめ、多くの観客が事件の深刻さを問題視し、台北の週間興行収入1位を獲得。勢いはとどまることなく、台湾の金馬奨では、8部門ノミネート。チェン・イェンフェイの最優秀新人俳優賞など2部門を受賞した。 2021年度の台北映画祭では、最多7部門8ノミネートを記録。チェン・イェンフェイの最優秀新人俳優賞など3部門の他、観客賞を受賞した。
社会に巣喰う性被害がもたらす悲劇の連鎖
本作品は、台湾のろう学校で実際に起きた性被害事件をベースにした映画。
普通学校から台湾南部のろう学校に転校してきたチャン(リウ・ツーチュアン)。同級生のベイベイ(チェン・イェンフェイ)と他愛もない話ですぐに打ち解け、新たな生活に期待を抱いていた。
しかしある日、チャンはベイベイがスクールバスで複数の男子生徒から性暴力を受けている現場に遭遇してし まう。信じられないことに、その後もベイベイは生徒たちと何事もなかったかのように遊んでいるのだ——。
チャンは、唯一頼れるワン先生(リウ・グァンティン)に、彼女を救って欲しいと嘆願したが、ベイベイは周りの大人たちが変わらなければ、どうすることもできないことを理解していた。これまで彼女が背負い込んできた苦しみを知ったワン先生とチャンは、何があっても彼女を守らなければならないと決意を固め、奔走する。
過去にも同様の事件があったに違いないと悟ったワン先生は、生徒たちから聞き取り調査を始めた。その結果、性暴力・セクシャルハラスメント被害の件数は127件にものぼった。主犯格とされるユングアン(キム・ヒョンビン)に話を聞くが、他の生徒とは違い、「俺は何もしていない」と加害者であることを認めない。
そんな中、マスコミが学校の実態を取り上げ、凄惨な環境であることを世間に知らしめたが、学校は事件の真相を隠蔽。事件解決のため奔走するチャンとワン先生、またも被害を受けてしまうベイベイ。それぞれに待ち受ける未来とは……。
『無聲 The Silent Forest』は、公開中。
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