犬童一心監督が世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った映画『名付けようのない踊り』が、1月28日より公開。ムビコレでは、田中泯のインタビューを掲載中だ。
「もっと常識外れの人間がいっぱいいていいじゃないですか」
2003年の『メゾン・ド・ヒミコ』で俳優と監督として出会った田中泯と犬童一心が、ヨーロッパ、東京、田中が拠点とする山梨や日本各地を巡って活動を記録し、山村浩二のアニメーションなども交えて映像で再構築した本作。
この映画の始まりは、田中がポルトガルの芸術祭に招かれた際に犬童監督を誘ったことがきっかけだった。「犬童さんもポルトガルは行ったことがないから、『行ってみたい』と。そして、ふっと『せっかくだから撮影したい』と言い出して、僕も『いいですよ』と応じて、と始まりました」と田中。
こうして自然な形でスタートした映画制作だが、はじめに田中は犬童監督と「どんなにバラバラになってもいい、順番もひっくり返しても構わない、何を間に挟んでも構いません。犬童さんが踊りを作ってください」と約束したという。
田中は、その理由をこう説明する。「現場で、ライブで踊っていた踊りは移動できないんです。現場を変えることはできない。映像で見せる踊りというのは、既にそこで違う。僕自身にとっては、自分の踊っている現場が映ってはいるけれどもリアリティのない場所なわけです。頭脳的にはその空間を捉えることはできても、体の感覚はそこにはいない。そこにいないことは明らかなわけです。このギャップをどうするかといったら、『私が踊った』という感覚を完全に抹消することなんです。それをバラバラにして、犬童さんが映像で組み立てることです」。そのため、本作では踊りをあえて“細切れ”に編集して見せている。
76歳になった今も現役でダンサーとして活躍している田中。自身の老いについて「筋力もそれほど衰えてないけれども、ある方法の動きがうまくいかないとか、そんなことはたくさんあります」と答えながらも、「ただ、世の中でいう“老いていく肉体”というのは、僕には多分やってこないと思います」と話す。
「要するにカバーしてるんです。真っ向から対抗しているので、老いて動けなくなるということは起こらないと思います。その代わり、決定的にハンディを負ってしまうこともあるとは思う。ただ、歳を取ることについて世の中が言っている常識の全てに、僕は反発を感じます。一緒にしないでほしい」と語る田中。
「例えば何かの動きを3回しかできなかったとして、やれば未だに回数を増やすことできます。まだ僕の体は僕に応えてるんですよ」と、世の中の多くの人々が当たり前のように“老い”を受け入れているということに疑問を呈した。
「もっと常識外れの人間がいっぱいいていいじゃないですか。そうしたら、体が老いていくことについて別の真実を見つけるかもしれない。そういうことです」。いくつになっても当たり前を当たり前と思わず、常に疑問や好奇心を持って物事に接する田中の姿勢が伝わってくるインタビュー全文はこちらから!
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