映画館に“ダブルベッド型シート”が登場！斬新な試みで映画館離れは食い止められる？

2012.12.30

ノッティングヒルといえばヒュー・グラントとジュリア・ロバーツ主演の映画『ノッティングヒルの恋人』で一躍有名となったが、その舞台ともなったポートベロー・マーケットに位置するイギリスでも最も古い映画館のひとつとも言われているエレクトリックシネマにダブルベッドシートが設置され、話題となっている。

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同映画館は、1910年に建てられ、閉鎖していた時期があるものの01年には再びオープンし、102年もの歴史を誇る伝統ある映画館。しかし、今年6月9日には、映画館にあるレストランのキッチンから火災が発生。一時は200人もの人たちが非難し、マーケットを封鎖するなど大事になり、ケガ人は出なかったものの、その火災により一時閉鎖を余儀なくされていた。そして、この度再々オープンした映画館の最前列に、なんとダブルベッド型のシートが設置されたのだ。

今回、500万ポンド（約6億9500万円／1ポンド131円計算）かけて行われた改修工事で新たに設置されたダブルベッドシートは、通常の座席14席の代わりに6つがスクリーンの前に置かれている。

ペアで30ポンド（約4170円）のため1人15ポンド（約2085円）ずつとなり、通常の座席シートの18ポンド（約2502円）よりお得な値段となっているのも驚きだ。割引を実施した理由としては、昔から観客たちは前の列に座りたがらないからとのこと。

また、今回このようなシートを設置した理由として、「この10年でロンドンの映画館での鑑賞タイルは本当に変わりました。今は（自宅でのDVD鑑賞など）様々な形で映画を鑑賞できるので、映画館に足を運んでもらうための特別な経験を人々に与えなければならなくなりました」と同映画館の運営をしているSoho House groupの創設者であるニック・ジョーンズは話す。

さらに、「今までカップルは、後ろの列でキスをしていましたが、今は最前列の毛布の下でキスをすることになりそうですね」とウィットに富んだコメントもしているが、同映画館ではロンドンで映画を見るのに、一番豪華で心地よい場所を目指しているようだ。

映画館離れもあり、映画館が様々な工夫を凝らしていくなか、映画館は映画だけを楽しむ空間でなくなっていくのかもしれない。果たして、日本でも映画館にダブルベッドシートが設置される日が来るのだろうか。（文：Masami Shimura／London）