20世紀が生んだ戦争映画の傑作を限定上映

東京・新橋のTCC試写室を会場として名作をスクリーンで楽しむ企画「土橋名画座」。

待望の第3弾が、フランスの支配に抗うアルジェリアの独立戦争を描いた『アルジェの戦い』(66年)と、ナチス収容所を生き抜くユダヤ少女の物語『ゼロ地帯』(60年)に決定した。

『アルジェの戦い』 (C)1966 Casbah Films, Inc. All rights reserved.

『アルジェの戦い』
(C)1966 Casbah Films, Inc. All rights reserved.

世界の選りすぐりの名作をスクリーンで楽しむ企画「土橋名画座」。第1弾のリチャード・フライシャー監督特集、第2弾の『やさしい女』(69年)、『ヘカテ』(82年)の愛の名作特集に続き、早くも第3弾が上映される。

『ゼロ地帯』 (C)1960 CINERITZ-VIDES CINEMATOGRAFICA-ZEBRAFILM all rights reserved

『ゼロ地帯』
(C)1960 CINERITZ-VIDES CINEMATOGRAFICA-ZEBRAFILM all rights reserved

21世紀生まれは300円で鑑賞できる破格料金

今回は1954年から1962年にかけて行われたアルジェリアの独立戦争を描く『アルジェの戦い』、壮絶なナチス収容所生活を生き抜くユダヤ少女の物語『ゼロ地帯』の2本となる。

『アルジェの戦い』はヴェネツィア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を受賞しながらも、現地入りしていたフランス代表団が“反仏映画”として反発、フランソワ・トリュフォー監督を除いて全員が会場を退出したという壮絶な逸話が残る問題作だ。

また『ゼロ地帯』もアカデミー賞外国語映画賞候補となりながらも、あるシーンでの移動撮影を巡りジャック・リヴェット監督に“卑劣だ”と糾弾されて物議を醸すなど、両作とも賛否両論を巻き起こした衝撃作だ。『ゼロ地帯』はデジタルリマスター版では本邦初上映となる。

いずれも監督はユダヤ人家庭に生まれ、第二次世界大戦中レジスタンス運動のリーダーとして活躍したジッロ・ポンテコルヴォ。

この20世紀の歴史的事実に迫る2作品をぜひ若い方に見てもらいたいという思いから、前回に引き続き21世紀生まれ(2001年1月1日以降に誕生された人)は300円で鑑賞できる破格の特別料金を設定している。

世界の名作をお届けする「土橋名画座」第3弾、『アルジェの戦い』と『ゼロ地帯』は、東京・新橋のTCC試写室で、2月11日から2月20日まで限定上映される。

◆「土橋名画座」とは=映画館ではなかなか上映機会のない世界の名作をスクリーンで体験するためマーメイドフィルムが新橋の国映TCC試写室の協力を得てオープン。今回がその第3回となる。