1983年にNHK朝の連続テレビ小説として放送され、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%を記録した『おしん』。日本のみならず世界中で人気を博し続けるこのドラマが30年の時を経て映画化されることとなり、2月5日に東京會舘で製作発表会見が行われた。
出席したのは上戸彩、泉ピン子、原作者の橋田壽賀子、冨樫森監督、そしておしん役をつとめることとなった子役の濱田ここね。映画化について橋田は「感無量ですが、ドラマを作ったときはヤオハンさんやダイエーさんが上り坂のときで、あんなに(強気だと)いつかダメになっちゃうんじゃないかと警告したい気持ちがあったのですが、本当につぶれてしまって」と感慨深げ。「今、いじめが話題になっていますが、おしんを見て、いじめられてもあんなに頑張っている子がいると思っていただければ」と子どもたちへのメッセージがこめられていることを明かした。
同作はおしんの少女時代を描き、ドラマでは泉が演じたおしんの母ふじを上戸が演じ、泉はおしんが奉公に出る加賀屋の大奥様を演じる。上戸は「(母親役は)まだ早いんじゃないかとか、母親に見えねえだろうと言われるのは目に見えていますが、ピン子さんに『命を懸けてやれば大丈夫』と素敵なアドバイスをいただいたので、頑張って演じたい」と抱負を語った。
一方、泉は30年前を振り返って話は尽きず、実は有名な「大根めし」を食べたことがなかったことも明かし「いつも、おしんにあげていたので、私も一度食べてみたかった」と振り返った。また、真冬の最上川に入って子どもを堕ろそうとするシーンについても、くちびるが紫色になって凍えながら撮影したと話し、これから同じシーンを演じる予定の上戸をびびらせていた。
また、ドラマでは小林綾子が演じたおしんを演じる8歳の濱田は、約2500名のなかからオーディションで選ばれた新星。監督は「都会の色のついた子が多かったなかで、こんなにリンゴのホッペの野生児なのはこの子だけだったので、迷うことなく選んだ。パワーと生命力が決め手」と、抜てきの理由を語った。
撮影はこれからだがすでに衣装合わせなどで一緒の時間を過ごしている上戸と濱田。上戸は“娘”の愛くるしい笑顔に目を細めながら「衣装合わせのときは2時間くらい笑いっぱなしで隣にいてくれたのですが、この笑顔が映画のなかでは一切見られないと思うと胸が痛いです」としんみり。「今のうちに笑っておこう」と濱田に話しかけていた。
映画『おしん』は2月中旬より山形県内で撮影され、10月より全国公開される。
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