本年度アカデミー賞で11部門にノミネートされ、日本でも大ヒット上映中の『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』。この映画で、成人した主人公パイの吹き替えを担当した本木雅弘がインタビューに応えてくれた。その1部を抜粋してお知らせしよう。
・[動画]『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』予告編
本作は、新天地に向かって家族と共に乗った船が沈没し、たった1人生き残った16歳の少年パイが、ベンガルトラと共に救命ボートで太平洋をさまよい続けるというストーリー。それから30余年の時を経て、カナダに暮らすパイが、当時の壮絶な体験を振り返るという構成になっている。
本木が声を演じたのは、その30余年経ったパイ。本作の語り部的な存在だ。実写映画の吹き替えは初挑戦だそうで、オファーが寄せられたときの感想を尋ねると「まず、基本的には『やりたくない』と(笑)」とイキナリのぶっちゃけ話。「もともと洋画を見るときは字幕派なんですよ。役者の声とか息づかいもお芝居のひとつだと思うから、それを楽しみたいんです。もちろん外国語作品だから必要なことですし、自分も子どもの頃からテレビで洋画や外国ドラマを吹き替えで見ているから慣れてはいます。ただ私自身、役者として自分の声そのものが変えられるとしたら、ちょっとさみしいなという抵抗が少しありました」と、当初は消極的だった理由を述べた。
それでも受けた理由については「何よりも私はアン・リー監督の一ファンなので、もし、会えるチャンスがあれば……。いや、会うというより、こんなに完成度の高い作品を創り出す人物を生で見てみたい、どんな佇まいの方なのだろう? その興味の一点のみが引き受けた理由ですね」と笑顔で答えた。
また、「吹き替え版では子どもたちもたくさん見ると思うが、特に見せたいシーンは?」という質問には、「正直言って『単なる冒険ものを見に行くつもりでいると、やけどをするよ』と、まずは断っておきたいですね」と意味深な切り出しで、この映画にかける本木流の思いを話してくれた。
さらに、最後には、本作は主人公のサバイバルストーリーになっているが、自分自身にとってのサバイバルはという質問には、「日々、サバイバルでしょう(笑)」と、これまた意味深な言葉が発せられた。その続きは、ロングインタビューでも確認できる。
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