宮崎あおい、毒のある真面目さが好きだと共演者についてコメント／『舟を編む』舞台挨拶

2013.02.20

キャノン砲の残骸が頭にかかった松田龍平（左）と、それを見て笑いをこらえる宮崎あおい（右）

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少なくとも15年はかかるという地道で大変な辞書編集に関わる人々の人生模様をユーモラスに描いた『舟を編む』。この映画の完成披露試写会が2月19日に丸の内ピカデリーで行われ、松田龍平、宮?あおい、オダギリジョー、黒木華、石井裕也監督が登壇、映画について語った。

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他に類を見ないほどの言葉の知識を持ちながらも、人とのコミュニケーションがうまくとれない主人公・馬締光也（まじめみつや）を演じた松田。かなり変わり者の主人公について「真面目すぎて（イザというときに）言葉が出てこず、たくさんの言葉を知っているのに言葉を出せない、コミュニケーションが苦手な馬締が辞書を作るという設定が面白いと思った」と演じた感想を語った。

そんな馬締が一目惚れするのが、板前を目指している香具矢。板前役に初挑戦した宮崎は「前掛けをかけると背筋がピンと伸びる気がしました」と振り返った。

辞書に関する物語ということで、挨拶では辞書にまつわる思い出について質問された松田。だが、「あまり勉強が好きじゃなかったので、辞書をちゃんと読んだことがない」と苦笑いしていた。

また、主人公の名前にかけた「マジメって、面白い。」というキャッチコピーにちなみ、登壇者のなかで一番真面目な人は誰かという質問も。松田と黒木は石井監督が真面目だと話し、オダギリは「自分が一番真面目なんじゃないかな。自分に対しては甘いんですけど、人にはちゃんとしてほしい」とニンマリ。

一方、宮崎は黒木の名前を挙げ「話しをしていて真面目だな、と。真面目なんだけど毒がある。それがとってもかわいくて好きだと思いました」と説明。それを聞いた黒木は「ありがたいのですが、毒ってどういうことかな……」と複雑な笑顔を浮かべていた。

デジタル撮影が主流となるなか、35ミリフィルムで撮影された本作。石井監督は、劇中に登場する人物たちが、アナログな手法で辞書を作っていることに触れ「（彼らに）寄り添うように作れたらと思った」とコメント。

最後に松田が映画について「何気なく使っている言葉を、ちょっと違う角度から見れる、いい映画だと思います。今は、辞書もデジタルでスピーディに答えが出ることが多いなか、回り道することの面白さも知ってもらえたら」とアピールし、舞台挨拶は終了した。

『舟を編む』は4月13日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。