「そいつが娑婆でのうのうと生きているのが許せない」。1人の死刑囚が獄中から真の首謀者を告発したことから明らかになった実際の凶悪殺人事件をもとにした映画『凶悪』のセンセーショナルなポスターが公開された。
・15歳女子の性欲描く映画の挑発的なポスターと放送規定スレスレの予告編が解禁!
本作は、ベストセラーノンフィクション「凶悪 −ある死刑囚の告発−」を映画化した作品で、1人の雑誌記者が死刑囚の告発を手がかりに真相を暴き、ペンの力で警察をも動かし首謀者逮捕に至った事件を描いていく。
事件の真相を追うなかで心の闇にとらわれていく主人公の雑誌記者を演じたのは、若手俳優のなかでピカイチの演技力を誇る山田孝之。脚本を読み、主人公が事件の異常さに触れて変化するところに面白さを感じたと言い、「正義とは、ときとして悪とも成りうるもの。主人公がもつ正義心は首謀者への憎しみに変わり、狂気へ暴走してしまう、その感情の変化がなにより重要と感じていたので、実話ということは深く意識せず、表現することに注力しました」と役作りについてコメント。「人間誰しもが持つ二面性をリアリティをもって伝えることができ、今自分が置かれている環境や社会について考えるきっかけとなれば嬉しく思います」と抱負を語った。
一方、事件を告発する死刑囚を演じたピエール瀧は「この事件について、お話しをいただくまでは知りませんでしたが、原作本の印象はリアリティがありすぎて、とてもネガティブな気持ちになったのを覚えています。暴力シーンを初めて演じたときは嫌な気持ちでしたが、お芝居を重ねるうちに徐々にその気持ちが薄れていく感覚がありました。それが、暴力が持つ魔力であり、暴力の本質なのではないかと思います」と、役を通じて暴力の恐ろしさを知ったことを告白。
“先生”と呼ばれる真の首謀者を演じたリリー・フランキーは「この役を演じることにひどく消耗しました」と明かし、「彼は目的のために一見冗談っぽく殺人を起こしていきますが、監督の演出が素晴らしく、妙なリアリティがそこにはありました」と撮影を振り返った。また、人間の二面性が描かれた脚本を絶賛し「原作も脚本の後に読ませていただきましたが、『こんなにも悲惨な事件が日常に行われていたのか』という驚きとともに、色々と考えさせられる部分がありました」と語った。
『凶悪』は9月21日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
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