アメリカ史上、最も愛された大統領エイブラハム・リンカーン、奴隷解放を実現させるために奔走した最期の日々を描いた『リンカーン』の試写会が3月31日にアメリカ大使公邸で開催され、小泉進次郎衆議院議員、田原総一朗、フリーキャスターの国谷裕子、フリーアナウンサーの長野智子、滋賀県の越直美大津市長、LINEを運営するNHN Japanの森川亮代表取締役社長など錚々たる人々が映画を鑑賞した。
・スピルバーグ監督、もしリンカーンがいなかったら世界はもっと混沌としていたと発言
人類の理想を実現しようとするリンカーン大統領が大きな困難に立ち向かう姿を描いた本作は、政治家として家庭人として苦悩する大統領の姿を描いた感動作。スティーヴン・スピルバーグが監督し、リンカーン大統領を演じたダニエル・デイ=ルイスが3度目となるアカデミー賞主演男優賞を受賞。アメリカでは1億8000万ドルの興行収入を記録する大ヒットとなり、オバマ大統領も鑑賞している。
小泉議員は感想を述べることなく公邸を後にしたが、田原は「リンカーンのキャラクターが、政治家としても1人の人間としても深く描かれていて、とても感銘を受けました。政治に興味を持っていない人でも、幅広い方に見て欲しい作品」とアピール。藤末健三参議院議員は「150年も前の出来事なのに、人類の尊厳を掲げながら民主主義的な手続きで政策を進めていたことには驚きました。日本では妥協しながら葛藤するのですが、リンカーンはプロセスを大事にして妥協せず、その違いは感じ取れました」と東西の政治手法の違いに言及。
白眞勲(はく・しんくん)参議院議員は「自由と民主主義とは何なのか、アメリカがいかに苦しんで成長していったのかがこの映画を通してとても伝わりました」と語り、越市長は「家庭と仕事の苦悩が描かれていて見入りました。奥さんとのやり取りは、どこの家庭にもありそうでとても身近に感じました。息子とうまくいかない様子や葛藤も良かったです」と家庭人としての側面が印象的だったとコメントした。
またルース駐日大使は「リンカーンの奴隷制度撤廃という決断が今でも続いていることはとても素晴らしいこと」と称え、「あのときの決断が今のアメリカのリーダーを生んだ。映画は150年前の話ですが、戦争と平和、人権、そして議会との調和と今も多くの問題や課題があります」と政治の難しさにも触れた。そして「映画の最後、リンカーンは老けて見えましたが、オバマ大統領も最近白髪増えてきました」とオバマ大統領の苦労を冗談交じりに語ってから、「まだまだ活力に満ち溢れていますけどね」と付け加えた。
『リンカーン』は4月19日よりTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国公開される。
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