メリル・ストリープ、サッチャー元首相死去に追悼コメント「女性に新たな選択肢与えた」

2013.04.11

英国史上初の女性首相として1979年〜90年の11年間に渡りイギリスを支え続け、“鉄の女”の異名を持つマーガレット・サッチャー元首相が4月8日に脳卒中のため亡くなった。イギリスは偉大な存在を失い大きな悲しみに包まれているが、映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』（11年）でサッチャー元首相を演じたメリル・ストリープからも悲しみの声が届いた。

・［動画］サッチャー元首相を演じたメリル・ストリープが首相にアドバイス!?

『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』は、ストリープにとっても12年の第84回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた思い出の作品のひとつ。今回の訃報を聞いたストリープは「マーガレット・サッチャーは、自らの意志であったかどうかということに関わらず、政界において女性の役割を示した先駆者でした。彼女の強さと度胸には畏敬の念を感じます。彼女は世界中の女性や女の子たちに、お姫様になるという空想に代わって、別の違った夢を与えました。それは、国の先頭に立ってリードするという選択肢で、まさに画期的で称賛に値することだと思います」とサッチャー元首相に対する想いをコメント。

また、「（映画出演を通じて）私は、彼女の晩年を想像することができ光栄でした。ただ、彼女が抱えていた多くの葛藤や、それをどのように乗り越えたのかなどについては、ほんのわずかな部分しか理解できていないようにも思います。ご家族やたくさんのご友人に対し、心から哀悼の意をお伝え致します」と語った。

映画製作時には内容について賛否両論が起きた作品でもあるが、今回の訃報を聞いて多くの人が改めて興味を持つこと間違いなさそうだ。イギリス国内においては、今でもサッチャー支持派と反発派に分かれている事実はあるものの、あの時代はもちろん、現在に至るまで、彼女が遺した功績は大きいと言えるだろう。（文：Masami Shimura／London）