宮崎駿監督が5年ぶりに描くスタジオジブリ最新作『風立ちぬ』。この映画の主人公・堀越二郎の声を、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明がつとめることが発表された。
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本作は、ゼロ戦を設計した堀越二郎と、彼と同時代を生きた文学者・堀辰雄の2人の人生を融合させ、技師としての生き方や薄幸の少女菜穂子との出会いなどをフィクションとして描いた作品
主人公には“早口である、滑舌がよい、凛としている”をイメージしていた宮崎監督が、適任者を探す会議を重ねるなかで、鈴木敏夫プロデューサーから庵野の名前があがったことから話は進んだという。
庵野と宮崎監督は、1984年公開の宮崎監督作『風の谷のナウシカ』で、庵野が巨神兵シーンを描いて以来の仲。宮崎監督を師と仰ぐ庵野は声優と聞き「最初から断ることはできない」とオーディションに参加。その結果、声を聞いた宮崎監督が満面の笑みで「やって」と依頼し、初の主人公声優役に挑戦することになった。
実際に4月中旬からスタジオジブリで始まったアフレコ収録では、庵野が「難しい」を連発。これに対し宮崎監督は「うまくやろうとしなくていい。いい声だからでなく、存在感で選んだのだから、それを出さなくてはならない」とのアドバイスを送ったそう。また、今回の抜てきについて庵野は、前述のようにオーディションを受けるまでの経緯を語ると、「オーディションが終わると、しばらく見たことないくらいニコニコと満面の笑みの宮さんに『やって』と言われまして、“これはやるしかないんだろうな”と思ったのが正直なところです。できるかどうかは別にして、やれることはやりますけれど、そこまでです、ということで引き受けました。ダメだったときは、僕を選んだ鈴木さんと宮さんが悪いんです(笑)。といいつつも、頑張ります」とコメント。
「もともと宮さんにオーディションで言われたのが『寡黙な男でセリフはそんなにないから』ということで。それを信じて引き受けたのですが、絵コンテ見たらびっくりですよ。ずっとしゃべりっぱなしだし、歌はあるわ、フランス語もドイツ語もあるわで、完全にだまされた!って感じです(笑)」と綴りつつも、「2時間を超える長編をつくるというのは、体力的にも精神的にも本当に大変な作業です。ラストシーンは、正直感動しました」と話している。
一方、鈴木は庵野の起用理由について「役者さんでは演じることのできない存在感です。映画を設計する監督と飛行機の設計士、作るものは違うが共通点もあると思いました。こじつけですが(笑)」と語っている。
『風立ちぬ』は7月20日より全国公開となる。
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