グローバリズムが食の安全を脅かす/『世界が食べられなくなる日』トークイベント

『世界が食べられなくなる日』
『世界が食べられなくなる日』
『世界が食べられなくなる日』
『世界が食べられなくなる日』

遺伝子組み換え食品と原子力発電。人間の健康に大きな影響を及ぼす可能性のある2つのテクノロジーの危険性を描いたドキュメンタリー『世界が食べられなくなる日』のトークイベントが、世界フェアトレード・デーの5月11日に渋谷アップリンクで行われた。

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この日登壇したのは、フェアトレードショップ「ぐらするーつ」代表の鈴木隆二、農業を軸にした地域自立を支援するNPO法人「APLA」事務局長の吉澤真満子、「脱資本主義宣言」などの著書があるフリーライター・鶴見済の3人。

吉澤は「遺伝子組み換え作物・食品も原発も個別の問題として捉えられやすいが、すべて、企業の営利が最優先されることが共通しています」と両者に共通する問題を提示。「日本でバナナが人気だが、フィリピンのバナナ畑は単一作物栽培や農薬の影響で畑がダメになり、高地栽培へと移行せざるを得なくなった。しかし、日本ではそのことを全く報じずに、逆に糖度の高いバナナとしてブランディングされ販売されています。知らないうちにグローバリゼーションに組み込まれています」と、ニュースでは知ることのできない食の現状を憂えた。

映画ではグローバリズムが食の安全を脅かしていることが示唆されているが、鈴木は「ここ数年、渋谷の光景が変わっています。以前は個人経営の個性的な店が多かったが、今は古いビルがどんどん新しくなり、“どこにでもある店”が増えている」と、街の多様性も破壊するグローバリズムの影響について語った。

さらに鶴見は「私たちが普段着用している“服”にも、規制緩和によるグローバル化が進んでいます。日本の服の自給率は、90年代には50%でしたが、現在4%にまで落ち込んでいます」と、ファッションのグローバリズムにも言及。農作物についても、「90年代にカナダ・アメリカ・メキシコの間で取り決められた北米自由貿易協定(NAFTA)では、本来メキシコ周辺で育てられるはずのトウモロコシが、この協定によって他国からの輸入に頼らざるを得なくなってしまった。TPPに参加する、というのは日本の米が全てカルフォルニア産になる、という危険性すら含んでいます」と、TPP参加への懸念を訴えた。

『世界が食べられなくなる日』は6月8日より渋谷アップリンクほかにて全国順次公開される。

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[動画]『世界が食べられなくなる日』予告編