田中絹代のサイン柄タトゥを入れる邦画ファン「日本の映画文化がいちばん」

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『ストーリー・オブ・フィルム111の映画旅行』場面写真公開

近代の傑作映画たちの制作背景や、その内容を紐解くイギリスのドキュメンタリー『The Story of Film：Generation（原題）』の邦題が『ストーリー・オブ・フィルム111の映画旅行』に決定、6月10に公開される。このたび、場面写真5点が公開された。

本作品は、スコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズによる、2010年〜21年に公開された傑作映画111作品に焦点を当てたドキュメンタリー。

「きちんと数えたことがないから具体な数字は分からないけれど、恐らく約16000作品以上は見ていると思うな。この10年だと約3600作品くらいかな。365日毎日欠かさず映画を見ているよ」

そんなカズンズ監督は、もしも世界で映画産業の発展を妨げるような脅威が発生したとして、たった1つの国の映画文化しか助けられないとしたらどの国を選ぶか？と言われたら、迷わず「日本」と答えるほどの邦画ファン。小津安二郎監督作品こそが映画の古典だと語り、腕には田中絹代さんのサインを模したタトゥを入れている強者だ。

一番好きな映画は今村昌平監督『にっぽん昆虫記』（63年）で、自宅のエディンバラに、今村監督夫妻を招いたこともあるという。

また、イギリスで開催されている世界最大規模のドキュメンタリー映画祭・シェフィールドドキュメンタリー映画祭でゲストプログラマーを務めたときには、土本典昭監督（『水俣ー患者さんとその世界ー<完全版>』）、原一男監督（『ゆきゆきて、神軍』)、小川紳介監督(『ニッポン国古屋敷村』)、今村昌平監督(『うなぎ』)を上映した。

映画は「手頃な価格で世界を見ることができる崇高な物」で、言葉や国境を越え人々を一つの“ファミリー”にする共通言語だと語り、次のように本作品をアピールした。

「本作品を見て、映画を愛する一つのグローバルな部族の一員にあなたも加わってくれたなら、これ以上嬉しいことはありません」

『アナ雪』から『ミッドサマー』まで近代映画史を紐解く

本作品は、並々ならぬ映画への思いを明かす監督自らが本編のナレーションを務め、独自の視点で大ヒットディズニー作品『アナと雪の女王』や、社会現象にもなった『ジョーカー』等のメジャー大作から、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『光の墓』、アリ・アスター監督作『ミッドサマー』等のインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず近年の映画史を紐解くドキュメンタリー。

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COVID-19によるパンデミックのなか、進化していくデジタル配信の可能性、進化を続ける映像技術を紹介し、同時に映画が創り出す希望、力、革新についても語っている。

制作会社は、日本でも大ヒットした『ようこそ映画音響の世界へ』を手掛けるDOGWOOF。ドキュメンタリーに特化したマドリードのシネマテークマドリードやニューヨークで多くの映画人が集うことで知られるメトログラフ、パリに古くからあるロシア映画を多く上映するラルルカン等、世界有数の映画館も続々登場、映画ファン垂涎の内容となっている。

『ストーリー・オブ・フィルム111の映画旅行』は、6月10に公開される。