『マッドマックス』撮影中を振り返り「怖くてたまらなかった」
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の撮影時から、主演のトム・ハーディとの不仲が伝えられたシャーリーズ・セロンだが、先日出版された同作の舞台裏を綴った書籍で、ナミビア・ロケ中に身の危険を感じていたことを明かした。
関係者の証言で構成された「Blood, Sweat & Chrome:The Wild and True Story of Mad Max: Fury Road」(カイル・ブキャナン著)によると、セロンは撮影現場で「攻撃的(aggressive)」なハーディに脅威と威圧感を覚え、保護が必要な状態だったが、誰も彼の行動を止めようとしなかったという。
ブキャナンの取材に対してセロンや他のクルーは、撮影現場でのハーディがしばしばプロ意識に欠ける行動を取っていたと語った。度重なる遅刻もその1つで、アフリカのナミビアの砂漠のセットで、何時間もキャストやクルーを待たせる事態が続いた。
ある日、プロデューサーが定時に来るよう「特別なお願い」をしたにも関わらず、ハーディが3時間以上も皆を待たせてから現場に現れた。カメラ・オペレーターは、セロンがハーディに「なんて無礼なの?」と詰めより、「(プロデューサーは)こいつがクルーを拘束した分、10万ドルの罰金を科すべき」と言ったと証言。ハーディは攻撃的な様子で「俺に何て言った?」と恫喝したという。ロケ地にまだ赤ん坊だった娘を連れてきていたセロンは「本当に脅威を感じていた」とオペレーターは振り返る。セロンは身の安全のために、女性プロデューサーのデニス・ディ・ノヴィを現場に呼ぶことを求めた。
「本当に怖かった」とセロンは語るが、彼女の要求はもうひとりのプロデューサー、ダグ・ミッチェルによって却下され、ディ・ノヴィは現場から締め出され、セロンは「無防備で孤独」な思いをすることになったという。
セロンは「言い訳はしたくないけれど、厳しい撮影だった」と当時を振り返り、「今なら、何が起きたのか、非常に明確な見解を持っています。映画を撮っているときは、明確な視点を持っていなかったと思う。私はサバイバルモードで、本当に怖くてたまらなかったのです」と語っている。
「自分のセットを守りたいという監督の気持ちは理解できるけど、いざというとき、手に負えなくなったときは、もっと大きな意味で考えられるようにならないと」とセロンは言う。
撮影が行われたのは約10年前の2012年と2013年。その後、映画界では2017年に起こった「MeToo」運動を受けて、セックス・シーンの撮影にはインティマシー・コーディネーターを配したり、男女の賃金格差是正の必要性への意識も高まってきている。
ハーディは当時について「いろいろな意味で手に負えない状態だった」「彼女に必要だったのは、私よりも優れた、おそらく経験豊富なパートナーだった」と言い、「(経験とは)誤魔化しの効かないものだ。年老いて醜くなった今、臨機応変になったと思いたい」と語った。
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