クリント・イーストウッドが監督・主演し、第65回アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめ4部門に輝いた『許されざる者』(92年)。この映画のリメイクとして注目を浴びている日本版『許されざる者』の完成報告記者会見が8月1日にグランド ハイアット 東京で行われ、主演の渡辺謙をはじめ、佐藤浩市、柄本明、小池栄子、柳楽優弥、忽那汐里と李相日監督が登壇した。
かつて“人斬り十兵衛”として怖れられた主人公を演じた渡辺は「監督から今までにない渡辺謙を見たいとオファーをいただきまして、僕のなかでも刺激的で冒険的な作品になったと思います。……なかなか売りにくい映画なんだよねこれが(笑)。でも、できるだけ多くの方に見ていただきたいと、これから監督、キャスト共々、みなさんに届けるべく全国をまわりたいと思っています」と挨拶。
町の支配者・大石一蔵を演じた佐藤は「十兵衛を追いつめる役なんですけど、実際は李相日(監督)に追いつめられてた。そんな凄惨な毎日の現場なんですが、役者というのは不思議なもので、喉元過ぎると熱さを忘れて、今、監督と完成品を前にすると、喜びしか出てこないという。だからこそ役者を続けてられると思うんだけど」と話し、十兵衛の戦友・馬場金吾に扮した柄本は「昨日(本作の)試写を見て、自分が出ている映画はどうも、何を言っていいやら」と口を濁らせながらも、「とにかく李相日という1つの才能は、たいしたものだなと思って、ぜひともたくさんの方に見ていただきたいと思います」と語った。
続いて、イーストウッド監督からのメッセージ映像が上映され、感想を聞かれた渡辺は「クリントが気持ち良くリメイクを許してくれたのは彼の懐の深さだと思います」と感想を述べた。
また、撮影に挑む際に心に決めたことを聞かれた渡辺は「オリジナルの作品は意識しないと言ったんですけど、クリントの映画でもそうなんですけど、明快な答えは出さないんですね。最終的な答えはそれぞれの役にないんですよ。それはちゃんと踏襲しようと思ってました」と回答。一方の佐藤は、同じ質問に「そうか、何か心に決めて入らなきゃいけなかったんですね。何にも考えずに入ってました」と答え笑いを誘った。
さらに2人には「初共演の印象と、相手のすごいと思うところは?」という質問が寄せられ、これには互いに顔を見合わせ、2人して照れ笑い。佐藤は「んなこと照れくさくて言えるわけないじゃないですか」と切り出すも、「この歳になってこの作品で一緒にできたことはすごく光栄なことだと思うし、現場では常に威風堂々と座長としてすべてを受け入れる度量があった。それは僕にはないものですから」と話すと、隣の渡辺に「こんなんでいい?」と確認。
渡辺も「こういうとてもアプローチの難しい作品で、高い山を(一緒に)登る共演者ではなく共犯者として、こんなに心強い共犯者がいてくれたことをとても嬉しく思いますし、現場でも、スクリーンのなかでもその力強さはしっかり残っていると思います」と話していた。
また、「現場で身の危険を感じたり苦しんだことは?」という質問に、忽那の答えは寒さ。ここまでの雪をあまり体験したことがなくて。吹雪いている夜の撮影のなかで手をズボって突っ込んでしまったときは本当に手がちぎれるかと思いました」とコメント。続く柳楽は「李監督の演出です」と答え会場を沸かせた。
一方、小池の答えも、忽那同様に寒さだったようで「本番前に暖は取らせていただいたんですが、現場に立ったときに、ここまで人の体って震えるんだって、歯がガクガクするのは初体験でしたね」と寒さを強調すると、最初は監督に怒鳴られるんじゃないかと思ってスタッフジャンパーすら着られなかったことを告白。
これを受け、司会から「同じように現場では薄着だった?」と聞かれた李監督は「ダウンジャケットを重ね着してました(笑)」とすまなそうに話していた。
『許されざる者』は9月13日より全国公開となる。
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