【今日は何の日】ミルクサーバーにラブドール! 変わり種マネキンが登場する映画とは?

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『ロマンスドール』
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(C) 2019「ロマンスドール」製作委員会
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3月24日は「マネキン記念日」である。1928年(昭和3年)のこの日、高島屋呉服店が日本初の「マネキンガール」を誕生させたのが由来だそうだ。当時の「マネキン」とは店頭販売員のことであったが、時代の流れと共に衣服の展示に使われる「マネキン人形」を意味するようになったのはみなさまもご存じの通り。そこで今回は、マネキン人形が登場する作品にスポットを当ててみた。

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怪しげなマネキンだらけ…キューブリックの問題作『時計じかけのオレンジ』

最初にご紹介するのは、言わずと知れたスタンリー・キューブリック監督の代表作の一つ、『時計じかけのオレンジ』だ。作品の冒頭から、怪しげなマネキンが何体も登場する。主人公アレックス率いる悪党少年4人組が、今夜の悪事を画策すべくたむろする「コロヴァ・ミルク・バー」のシーンである。テーブルからミルクサーバーに至るまで、全て女性の裸体のマネキンがモチーフという風変わりな空間。ミルクサーバーに至っては、バストトップからドリンクが供されるエキセントリックな仕様だ。しかもここで出されるミルクは普通のミルクではない。ドラッグ入りの“ミルク・プラス”である。

暴力、体制、国家権力などシリアスなテーマを皮肉たっぷりに描いていくストーリー展開は、映画が公開された1971年から約50年経った今見ても全く色褪せていない。そして、皮肉ることで社会に叩きつけたであろう問題提起は、未だ何一つ解決していないことに愕然とする。そんな憂鬱を噛みしめながらも、キューブリックならではの映像世界にグイグイと引き込まれていくのである。

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高橋一生×蒼井優、純愛が切ない『ロマンスドール』

こちらの作品に出てくるマネキンは、ラブドール。そう、男性向けのアダルトグッズだ。高橋一生演じる美大卒のフリーター、哲雄は、何も知らず先輩に紹介された会社に面接に出向く。するとそこは、ラブドール製造会社であった。予想外の展開とはいえ、可も不可もなくといった感じで惰性的にそこで働き始めるのである。哲雄は、ラブドール作りに精魂を注ぐベテラン職人相川(きたろう)との交流を通じて次第にラブドール作りの奥深さに開眼してゆく。そして、胸の型取りモデルとして職場を訪れた蒼井優演じる園子に一目惚れをし、2人はやがて夫婦となるのだが…。

男性のロマンを詰め込んだラブドールは、作中で哲雄の園子への愛の結晶として描かれる。ピュアな2人の純愛がなんとも眩しく切ない作品だ。ラブドールをテーマとした作品を、原作、脚本、監督全て女性映画監督のタナダユキが手掛けているのも興味深い。(T)

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