新人の中野量太監督作『チチを撮りに』がサハリン国際映画祭でグランプリ受賞
映画『チチを撮りに』が8月30日、ロシアで開催されていた第3回サハリン国際映画祭でグランプリを獲得した。日本の作品が同映画祭で受賞するのは今回が初めてとなる。
同作は、母と3人で暮らすフリーターと女子高生の姉妹が、14年前に女を作って出ていった父の写真を、「お父さんもうすぐ死ぬから会いに行って、その顔を写真に撮ってきて」と母から頼まれることから始まる物語。「死にゆく父の顔を写真に撮る」というお使いと、行き着いた先に待っていた人生の修羅場で奮闘する姉妹の姿を通し、母の思いや家族の絆を描いてゆく。
監督は、本作で長編映画監督デビューをはたし、独自の感性と視点に熱い視線が集まる中野量太。次代を担うクリエイターを発掘する「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」で日本人監督として初めて「監督賞」を受賞、「SKIPシティアワード(今後の可能性を感じる監督に授与)」をダブル受賞する快挙を成し遂げた新鋭だ。
一方、サハリン国際映画祭は外国文化に触れる機会を増やそうと2年前から開催されている映画祭。グランプリを競うコンペティション部門には、日本、中国、韓国、香港、ロシアなどから出品され、日本の新藤次郎プロデューサーが審査員もつとめている。
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