9月1日に引退を発表したスタジオジブリの宮崎駿監督が、9月6日に吉祥寺第一ホテルで引退会見を行った。
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アニメーション映画巨匠の引退会見ということで、会場には海外メディアを含めて605人もの取材陣がつめかけた。めったに会見に出席しない宮崎監督だが、この日は約1時間半にも及んだ会見で、冗談も交えながら訥々と自らの思いを口にした。
『もののけ姫』以来、何度も引退を発表してきた宮崎監督。冒頭の挨拶ではそのことに触れて照れ笑いしつつも、「今回は本気です」と断言。また、東映動画時代から苦楽を共にしてきた盟友・高畑勲監督をこの引退会見に誘ったと打ち明け、「(高畑監督は)冗談じゃないという顔をされ、彼はずっとやる気だなと思った(笑)」と明かした。
来年1月には73歳となる宮崎監督は会見中、なんども気力・体力の衰えを口に。「今までの延長上には自分の仕事はないだろう。もし長編映画を作りたいと思っても、それは年寄りの世迷いごと」と語った。
共に会見に臨んだもうひとりの盟友・鈴木敏夫プロデューサーによると、宮崎が引退を口にしたのは『風立ちぬ』の初号試写の直後。「もうだめだ」と言う宮崎を見て、鈴木は「今回は本気だな」と感じたという。
今後の活動についてはハッキリとは明かさず、これまでと変わらずにスタジオジブチに毎日“通勤”するとだけ口にし、「約束すると、大抵破ることになると思いますので」と苦笑い。ただ、今後のジブリ作品にアドバイザーのような形で関わることだけは「ありません」と断言。「前からやりたかったことをやりたい。それはアニメーションではありません」とも話していた。
またスタジオジブリの今後については、皆の上にのっていた“重し”がなくなることで新たな企画が活発に出てくることを期待している様子で、「皆から『(新たな企画を)やりたい!』という声が出てくるかどうかにかかっている」と語った。
会見の最後は、鈴木プロデューサーと、同じく会見に出席していた星野康二スタジオジブリ社長と固い握手をした宮崎監督。嵐のようなフラッシュのなかで笑顔を浮かべ、会見場を後にした。
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