ヴェネチア映画祭閉幕『風立ちぬ』は受賞ならず。ドキュメンタリーが金獅子賞を初受賞
第70回ヴェネチア国際映画祭が7日(現地時間)に閉幕、コンペティション部門最高賞の金獅子賞をイタリアのジャンフランコ・ロージ監督のドキュメンタリー『Sacro GRA(原題)』が受賞した。現地での記者会見で引退を発表し、6日に東京で会見を行った宮崎駿監督の『風立ちぬ』、オリゾンティ部門出品の園子温監督『地獄でなぜ悪い』は惜しくも受賞を逃した。
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首都ローマの環状高速道路周辺に暮らす人々の生活を追う『Sacro GRA』は上映以来、最高賞の呼び声は高かったが、ドキュメンタリーが金獅子賞に輝いたのはヴェネチア映画祭史上初。イタリア映画の受賞も1998年の『いつか来た道』(ジャンニ・アメリオ監督)以来の快挙だ。審査員長のベルナルド・ベルトルッチ監督は「驚くべき作品」と賞賛した。
監督賞にあたる銀獅子賞はギリシャのアレクサンドロス・アヴラナス監督の『Miss Violence(原題)』が受賞。娘の自殺によって大きく揺れる家族を描き、父親を演じたテミス・パヌは最優秀男優賞を受賞。同一作に2つ以上の授賞はヴェネチア映画祭では稀なことだ。
今年から新設された審査員賞は、台湾のツァイ・ミンリャン監督の『Stray Dogs(英題)』に贈られた。55歳のツァイ監督も宮崎監督同様、映画祭期間中に現地で映画監督引退を発表している。
主演のジュディ・デンチが50年前に生き別れた息子を探す旅に出る女性を熱演し、最優秀女優賞受賞が有力視されていた『あなたを抱きしめる日まで』(2014年3月日本公開予定)は、同作出演者でもある俳優のスティーヴ・クーガンとジェフ・ポープが最優秀脚本賞を受賞した。
主な受賞結果は以下の通り。
【コンペティション部門】
金獅子賞:『Sacro GRA(原題)』(イタリア)ジャンフランコ・ロージ監督
銀獅子賞(最優秀監督賞):アレクサンドロス・アヴラナス/『Miss Violence(英題)』(ギリシャ)
審査員大賞:『Stray Dogs (英題)』(台湾、フランス)ツァイ・ミンリャン監督
審査員特別賞:『Die Frau des Polizisten(原題)』(ドイツ)フィリップ・グレーニング監督
最優秀男優賞:テミス・パヌ/『Miss Violence(原題)』(ギリシャ)
最優秀女優賞:エレナ・コッタ/『Via Castellana Bandiera(原題)』(イタリア、スイス、フランス)
マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞):タイ・シェリダン/『Joe(原題)』(アメリカ/デヴィッド・ゴードン監督)
最優秀脚本賞:スティーヴ・クーガン、ジェフ・ポープ/『あなたを抱きしめる日まで』(イギリス/スティーヴン・フリアーズ監督)
【オリゾンティ部門】
最優秀作品賞:『Eastern Boys(原題)』(フランス)
最優秀監督賞:ウンベルト・パゾリーニ/『Still Life』(イギリス、イタリア)
審査員特別賞:『Ruin(原題)』(オーストラリア/マイケル・コーディ、アミエル・コーティン=ウィルソン監督)
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