ロス、NY、ニューオーリンズ…親子のような2人が都市を巡る、モノクロ・ロードムービー
A24製作の映画『カモン カモン』新場面写真公開
ホアキン・フェニックス主演、マイク・ミルズ監督、A24製作の映画『カモン カモン』が4月22日に公開される。このたび、新場面写真が公開された。
・『ジョーカー』のイメージ覆すホアキン・フェニックス主演『カモン カモン』
公開された場面写真は、洗練された映像よりロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの景観を切り取った4枚。
撮影を手掛けたのは、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされ、『わたしは、ダニエル・ブレイク』など名匠ケン・ローチ監督作常連のロビー・ライアン。様式化された芸術的な映画からリアリズムを追及した作品まで担う、まさに“職人”ともいえる撮影監督だ。
「主に自然光を使って、臨場感を出すことを考えていた」というミルズ監督は、「ロビーはその点で非常に優れている。また、強引にならないように美しく見せる方法についても極めて鋭いセンスを持っている」とライアンの手腕を絶賛している。
本作品は、デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと旅をするロードムービーでもある。
ミルズ監督は、「東、西、北、南の各都市が入っているのが気に入った」と語り、ライアンは「モノクロにすることで、さまざまな場所に統一感を持たせることができた。これは、旅全体をひとつにつなぐ感覚だ」「この世界をモノクロで包み込むわけだけど、人間関係や感情よりも映像が勝ってしまわないように、バランスをとることが重要だった」と振り返っている。
マイク・ミルズ監督初の長編モノクロ作品
本作品は、ニューヨークを拠点に全米各地を飛び回るラジオジャーナリストのジョニー(フェニックス)が9歳の甥っ子ジェシー(ウディ・ノーマン)との共同生活を通して、初めての子育てに戸惑いな がらも絆を見出していく姿を描いた感動のヒューマンドラマ。
マイク・ミルズ監督にとっては初の全編モノクロ長編作で、その理由を「この映画の物語は、すごくありきたりのことだと思うんだよね。子どもをお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯食べるというものだからね。だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは“物語”なんだということをまず提示できると思った」と明かす。
また、着想については「子どもと大人がある場所を歩いていくというイメージが僕の頭の中に浮かんだんだけど、それが神話的かつ寓話的で、ほとんどクリストファー・ロビンとくまのプーさん的な絵のような映像や、『キッド』(1921)でのチャーリー・チャップリンと子どもみたいな感じだった。さらにイソップ物語的なイメージが浮かんだんだ」と着想を語り、モノクロ映画が持つ効果について「日常から切り離して、”物語”の中へ導くための手段でもあったんだ」と語る。
『カモン カモン』は、4月22日に公開される。
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