『ぐるりのこと。』公開記念で橋口監督と法廷画家がトークショー
リリー・フランキーが初主演で法廷画家に扮したことも話題の映画『ぐるりのこと。』の公開を記念して、6月21日に、國學院大學の渋谷キャンパスで、現役法廷画家の染谷栄と、同映画の橋口亮輔監督を講師に迎え、トークショーが開かれた。
この映画は、ある夫婦が困難にぶつかりながらも、一緒に生きてゆく様子を10年に渡って綴ったもの。彼ら夫婦の10年と重ねられるように描かれるのが、法廷を賑わした数々の事件だ。
トークでは、先日死刑が執行されたばかりの宮崎勤の話題も飛び出し、実際に宮崎の裁判にも立ち会った染谷は、「(宮崎は)自身の裁判中にも関わらず、 他人ごとのように鉛筆回しをしていた。入廷する時にしか被告の顔は見られないが、少し微笑んでいたというか……。緊張感のなさを伝えなければ、と思いながら描きました」と当時の状況を振り返る。
一方、橋口監督は「最近の事件やニュースを見て、映画の世界から現実に地続きに繋がっていくような、何とも言えないリアルな感じを持った。今回の映画では、90年代からの10年間の事件をモチーフに、人の中に存在する差別意識を表したかった」と語る。
また、監督は「法廷シーンの後、『人は鬼にはなれない』とリリー・フランキーさんからメールをもらい、普段はいいかげんなオヤジだけど(笑)、人の本質を見ているんだな、と思った」と、撮影裏話も明かしてくれた。
『ぐるりのこと。』現在、は渋谷のシネマライズほかにて絶賛公開中だ。
(写真左から現役法廷画家の染谷栄、橋口亮輔監督)
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