ウィル・スミスがアカデミー退会へ
ウィル・スミスが先月27日(現地時間)、第94回アカデミー賞授賞式中にステージ上でプレゼンターのクリス・ロックに平手打ちをした件を受けて、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員を退くと発表した。
・ウィル・スミス、激昂にかられた行動に厳しい意見相次ぐ 身体的特徴からかったロックへの批判も
27日の授賞式で長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックは、客席にスミスと一緒にいた妻のジェイダ・ピンケット・スミスの髪型を揶揄するジョークを発し、これを聞いたスミスはすぐにステージに上がってロックを平手打ちすると、無言でステージを降りて席に戻った。
その数十分後に発表の主演男優賞を受賞したスミスは涙ぐみながら、自分の行動についてAMPASや他のオスカー候補者たちに謝罪を述べたが、現地では公の場で暴力をふるったスミスを非難する声が高まり、AMPASはスミスへの懲罰を調査を始めていた。
スミスは2001年からAMPASの会員だが、情報筋によると、AMPAS側から10年以上の除名処分となる可能性が高いと言われたという。最も厳しい処分を受ける前に自ら辞す形を選んだ。
「第94回アカデミー賞授賞式での私の行動はショッキングであり、痛みを伴い、許しがたいものでした。私が傷つけた人たちのリストは長いものになります。クリス、彼の家族、多くの親しい友人や愛する人たち、会場にいたすべての人たち、そして世界中の観客も含まれます。私はアカデミーの信頼を裏切りました。他の候補者や受賞者たちから、彼らの素晴らしい仕事を祝い、祝福される機会を奪ってしまったのです」と、ロックも含めた人々への謝罪を述べたうえで、AMPASから退会の意思を表明した。
「私は心を痛めています。私は、その功績が注目されるべき人々への注目を戻し、アカデミーが映画における創造性と芸術性を支援する素晴らしい仕事に戻れるようにしたいのです。ですから、私は映画芸術科学アカデミーの会員を退き、理事会が適切と考えるいかなる結果も受け入れるつもりです
変革には時間が必要であり、私は二度と暴力が理性を凌駕させないよう、努力することを誓います」
AMPASのデヴィッド・ルービン会長は「我々はウィル・スミス氏の映画芸術科学アカデミーからの即時退会を受理しました。我々は、次回4月18日に予定されている理事会に先立ち、アカデミーの行動規範に違反したスミス氏に対する懲戒手続きを進めていきます」と声明を発表した。
AMPASは当初、騒動が起きた後でスミスに退場を求めたが拒否されたと発表したが、情報筋が業界誌「Variety」に語ったことによると、AMPASは正式に退場を要請はしておらず、それどころか授賞式のプロデューサーのウィル・パッカーはスミスに会場に留まるように促したという。このプロデューサーは、TV番組で、スミスが会場に留まることをロックが望んだという主旨の発言をしたが、ロックはこれを否定している。
暴力も、他者を傷つける心ない言葉も、許されてはならないものだが、裁こうとする側が事実を正確に伝えないことで、事態はさらに混乱している。この後、AMPASがどのような判断を下すかが注目されている。
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