『笑う警官』撮影中、角川春樹監督が宮迫博之に日本刀を…!?

直木賞にもノミネートされた人気作家・佐々木譲のベストセラー「笑う警官」が、角川春樹監督、大森南朋主演で映画化されることとなり、9月18日に撮影がスタートした。クランクアップは11月上旬予定で、現在、快調に撮影中だという。そんな中、映画の会見が東映撮影所で行われ、監督とキャストが、撮影にまつわるエピソードや映画への思いについて語った。

警察内部の腐敗に迫る主人公の警部補を演じた主演の大森は、「精神的に過酷な撮影環境の中、巨匠(角川監督)の下でがんばっています」とコメント。“巨匠”については、「モノを作ることに真剣で誠実な人。時折見せる笑顔がチャーミング」と感想を述べた。

殺人の濡れ衣を着せられた上、射殺命令まで出されてしまう巡査部長を、宮迫博之が演じる。「撮影前は監督のことを恐い人だと思っていたのですが、撮影に入っても恐い人だなぁ、と(笑)。監督はついこの間まで僕を“役者”だと思っていたみたいで、お笑い芸人の僕が笑いのないドラマをやっています。シリアスな演技は、ヨメに追い込まれた時の感じでやればいいかな、と。緊迫したシーンは、(ヨメに)3日くらい無視された時のことを思い出しながら……(笑)」。撮影中、宮迫が顔に日本刀を突きつけられるシーンがあるが、刀を手にしているのはナント監督本人! そのシーンについて聞かれた大森は、「芝居のダメ出しをされていたのでは?」とニッコリ。刀はかなりきわどく接近し「テンションが上がった」と話していた宮迫だが、本物だったのかという質問には、「そこはフワっとさせておきましょうか(笑)」とかわしていた。

紅一点の松雪泰子は、「“野郎”な気持ちで参加しています。楽しくリラックスした現場ですが、昨日も10分の長回しのワンカットを撮影して、緊張した撮影をしています」と話していた。

メジャー作品としては93年の『REX 恐竜物語』以来15年ぶりに監督をつとめることとなった角川。製作と脚本も兼務しているが、「クランクインの3週間前くらいに、突如、監督することを決めました。何の不安もなく、どの監督にも負けない作品ができると信じています」と話した後、「警察モノとなると、私以外には撮れない。逮捕された上に麻薬まで仕込まれるという……」ときわどい発言。宮迫から、「そこに触れてよかったんですか!?」と突っ込まれながらも、「とにかく、一番の体験者が語る警察の暗部。再び逮捕されることも恐れていない」と話していた。中年刑事が「警察はつぶしが効かない」とグチるところなどは、実際に見聞きした事柄を織り込んだのだという。

一世を風靡した『セーラー服と機関銃』(81)『時をかける少女』(83)から、最近では『男たちの大和/YAMATO』(05)など数々のヒット作をプロデュースしてきた角川春樹監督。「映画作りにあたって興行的なことは避けて通れず、当たる映画にしなければならない。(配給元の)東映とは興行収入についても話し、それがダメならもう映画はやめると約束しました」とヒットへの決意を語っていた。

映画『笑う警官』は、09年秋以降に全国公開される予定。

(写真上:左から角川春樹監督、伊藤明賢、忍成修吾、松雪泰子、大森南朋、宮迫博之、螢雪次朗、野村祐人、大友康平/写真下:左から松雪泰子、大森南朋、宮迫博之)