スピルバーグ、宮崎駿、ルーカス、P・ジャクソンに影響与えたチェコ巨匠の作品を一気見!
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チェコアニメの巨匠を特集「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」
スピルバーグ、宮崎駿、ルーカス、P・ジャクソンなどの監督たちにも多大な影響を与えた チェコ・アニメーションの巨匠カレル・ゼマン特集「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」が4月23日より開催される。このたび、予告編が公開された。
このたび公開された予告編は、『悪魔の発明』『盗まれた飛行船』『クラバート』を中心に構成されている。アニメと実写が融合された万華鏡のような作品の数々の片りんを垣間見ることができる。
これら数々の作品群はこれまでに多くのファンを魅了し、スティーヴン・スピルバーグ、宮崎駿、ジョージ・ルーカス、ピーター・ジャクソンなどの監督たちにも多大な影響を与えた。CGが発達し、リアルな映像表現が可能になった現代だが、改めてゼマンの作品に触れることで、少年のような遊び心と溢れ出る想像力の豊かさに胸打たれるだろう。
ゼマン初期から晩年に至る代表作を一気に堪能
カレル・ゼマン(1910-1989)は、チェコ・アニメーション創設者のひとり。第二次世界大戦中、ズリーンを拠点に制作を開始。チェコの伝統でもある人形劇への愛着を強く持つ一方で、切り紙アニメに人形アニメ、実写とアニメの合成など様々なスタイルを駆使した斬新な作品を多く生み出した。
その世界は、少年時代にのめり込んだジュール・ヴェルヌの小説のように、潜水艦や飛行船、恐竜や架空の動物など、魅惑的な乗り物や動物が次々に登場するSF冒険小説を思わせる作風が特徴となっている。
今回は、そのジュール・ヴェルヌ原作の『悪魔の発明』『盗まれた飛行船』のほか、G・ビュルガーの原作をアニメと実写の合成で作り上げたファンタジー大作『ほら男爵の冒険』など全10作品と、短編『プロコクウ氏 映画制作の巻』を上映。ゼマンの初期から晩年に至る代表作が一気に堪能できる貴重な機会となろう。
『鳥の島の財宝』(1952年)
小さな美しい島では皆が平和に暮らしていた。ある日突然、島に黄金がもたらされたことから人々の暮らしぶりが一変する。
古いペルシャの寓話を元に作られた牧歌的人形アニメ。ペルシャ細密画のような作風で描いた”大人の絵本”のような初の長編作。
『前世紀探検』(1955年)
ボートに乗った4人の少年が“時間の川”を上りながら古代世界を冒険していく。
ブロントザウルス、ティラノザウルスなどの恐竜との遭遇、そして未知の生きものの発見──。『ジュラシック・パーク』の遙か先駆ともいうべき恐竜映画史に残るSFトリック・フィルムの傑作。
『悪魔の発明』(1958年)
科学者ロック教授とその助手アールは新型爆弾の開発に没頭していたが、完成寸前で何者かに拉致されてしまった……。
SF小説の祖として名高いジュール・ヴェルヌの原作を映画化したゼマンの代表的特撮冒険SF映画。
『ほら男爵の冒険』(1961年)
宇宙飛行士のトーニークは人類初の月面着陸に成功した……と思ったが、降り立った月面にはすでに何者かの足跡が残されていた……。
G・ビュルガーの原作から飛び出した“ほら男爵”の奇想天外な大冒険譚が、ゼマンのアニメと実写の見事な合成で最後までノンストップで綴られていくファンタジー大作だ。
『狂気のクロニクル』(1964年)
17世紀のドイツを舞台に、ヨーロッパ諸国を30年にわたって巻き込んだ宗教戦争を背景に、主人公ピーターを通して戦争の愚かさをゼマン流に描く。
ゼマンは劇中に登場するキュートな天使をはじめ、重いテーマをシュールかつユーモラスにを描く。
『盗まれた飛行船』(1966年)
19世紀末のベル・エポックの時代。飛行船が発明され人々は興奮して大騒ぎ。その最中に5人の少年たちが飛行船を乗っ取り大空に飛び出して……。
ジュール・ヴェルヌの代表作「神秘島」の特撮映画化で、少年たちの奇想天外な冒険を実写と書き割りで 描き出した。『天空の城ラピュタ』を先取りした傑作ファンタジー。
『彗星に乗って』(1970年)
舞台は、1868年のフランス領アルジェリア。フランス軍の若き中尉は、町で見かけた絵葉書の美女に一目惚れするが、その時、謎の彗星が地球に大接近してくる。その彗星は全盛期の恐竜や龍が棲む惑星だった……。
『盗まれた飛行船』に続くジュール・ヴェルヌ原作の映画化。
『シンドバッドの冒険』(1974年)
アランビアンナイトの主人公のひとり、船乗りシンドバッドは、大海を旅し、異国の王国を尋ねる途中で数多くの驚きに遭遇する。
その冒険譚を7つの短編で色鮮やかに描いた、エキゾチックな切り絵アニメーション。
『クラバート』(1977年)
少年クラバートは、夢に誘われるまま水車場の見習いになり、親方から魔法の修行を受けるのだが……。
児童文学の傑作を、ダークなキャラクターで映像化した。アニメーション映画史に刻まれるゼマン晩年の傑作。
『ホンジークとマジェンカ』(1980年)
ホンジークは妖精マジェンカと出会い恋に落ちる。しかし2人の愛の前には様々な苦難が襲いかかってくる……。
牧歌的音楽が流れる中での恋の行方は? ゼマン最後の長編ファンタジー。
※同時上映短編:『プロコクウ氏 映画制作の巻』(1947年)
特集上映「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」は、4月23日より5月6日まで新宿K’s cinemaで開催される。
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