原発事故の真実を描いた『チェルノブイリ1986』感動の本編映像

チェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故。全世界を未曾有の危機から救うため命を懸けた消防士の物語『チェルノブイリ1986』が、5月6日から、全国で公開される。

1986年4月26日、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国プリピャチのチェルノブイリ(チョルノービリ)原子力発電所で起きた爆発事故。この未曾有の大惨事は、のちに超大国のソ連が崩壊した一因になったとも言われ、数多くのドキュメンタリーが作られた。

そしてこの度、他とは全く違った視点で描いた映画『チェルノブイリ1986』を完成させた。

人々の日常生活や生命をどれほど脅かし、彼らの人生に壊滅的な影響を与えたのか。事故発生当時、現地で撮影した経験を持つプロデューサーが、爆発直後に現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点からリアルに映し出した、映画だからこそ描けたヒューマン・スペクタクル巨編だ。

この度、若き消防士アレクセイがチェルノブイリ原発の爆発の混乱の中、やっと再会できた元恋人オルガと被ばくした息子の治療を約束する感動の本編映像が到着した

オルガはチェルノブイリ原発が爆発しアレクセイが再び自分の前から消えてしまったことに腹を立てていた。

息子が被ばくしたことに動揺し激しく気持ちをぶつけるオルガだったが、その気持ちを受け止め抱きしめるアレクセイに徐々に気持ちが落ち着いてくる。

「あの子を迎えにいこう。飛行機でスイスに行って治療を受けられる」

アレクセイからの申し出にビックリするオルガは「なんでスイスなの?」と聞く。

アレクセイは「いい医者がそろってる。最善の策だ。あの子を飛行機に乗せればいいだけだ」と優しく諭す。

オルガは一縷の望みを賭け、息子をスイスに行かせることを決意するのだった。

スイスに旅立つ日、息せき切って駆け寄るオルガが見たのは、虚ろな目で横たわる息子の姿だった。

「会いにいけなくてごめんね。助けてもらえるからね」と、優しく話しかけるオルガに医師が息子の名前を確認する。

「ああ、うちの戦士だ」と答えるアレクセイ。

「ロシア語ができる医師は?」、懇願するように問いかけるオルガだったが、「私がいる」と、医師は冷たく答える。

再び「大好きよ」とオルガは息子に伝えるが、不安げな様子の息子は絞り出すような声で「ママは来ないの? 」と聞くが……。

息子は果たしてスイスに無事にたどり着き、被ばくを治療することができるのか?

『チェルノブイリ1986』

監督&主演のコズロフスキー「これは人間そのものについての物語」

監督と主演のアレクセイを兼任したダニーラ・コズロフスキーは、同作について次のように語る。

「原発事故の規模はもちろん重要ですが、私たちが目指したのは原発事故が人々にどのような影響を与え、彼らがどのように感じたのかということです。事故が彼らをどのように変えたのか、そして彼らがどのような疑問や選択に直面し、いかなる決断を下したのかを見せたいと思いました」。

さらに「この映画を大きなスクリーンで見てもらいたい」と語り、その最大の理由を説明する。

「これは人間そのものについての物語です。そして人間の複雑かつ難解な感情や自己犠牲について、さらには意志や性格にかかわらず運命がいかに人々を不本意なヒーローにするかについての物語なのです」。

『チェルノブイリ1986』は5月6日から、全国で公開される。