シリーズ人気、米国より日本が上回る
【興行トレンド】『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が4月8日から公開され、10日までの3日間で興行収入約10億5600万円の大ヒットスタートを切った。
・マッツ・ミケルセン登場の『ファンタビ』新作、頂上決戦の“ゲームチェンジャー”は誰!?
21年の洋画の大ヒット作のオープニング3日間を見ると、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(約7億9600万円)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(約6億1100万円)、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(約6億2400万円)。これらを上回り、今年の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がオープニング4日間であげた約16億9200万円に次ぐ猛ダッシュを見せた。
IMAX版、4D版、DOLBYCINEMA版でも上映。シネコンでの上映回数は通常は1日5回のところ、字幕版と吹替版を合わせて10回上映するところが目立つ。
『ハリー・ポッター』の原作者J・K・ローリングが脚本を手掛ける、新たな魔法ファンタジー映画『ファンタスティック・ビースト』。シリーズの興行は米国より日本の方がいい。
1作目『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16年)日本:洋画の年間興行収入2位、米国:年間12位
2作目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(18年)日本:洋画の年間5位、米国:年間20位
『ハリー・ポッター』シリーズは11年『死の秘宝PART2』で終了したが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに14年「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。『ハリポタ』人気に再び火がつき、『ファンタビ』の大ヒットを後押ししていると推測される。
配給元ワーナー・ブラザースでは1作目から日本市場に期待を寄せた宣伝を展開した。1作目では公開直前に主演のエディ・レッドメインをはじめとするキャストやデイビッド・イェーツ監督らが来日。公開2日前にジャパンプレミア、公開前日にファンイベント、公開日に映画館で舞台挨拶を実施。3日連続での来日イベントは極めて異例のことだった。2作目でもレッドメインやジュード・ロウら計6人のキャストが来日。公開2日前にジャパンプレミア、公開前日にファンイベント、公開日に映画館で舞台挨拶を実施した。
『ダンブルドアの秘密』では3月28日にファンイベントを実施し、キャスト・監督がリモート登壇。エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ、マッツ・ミケルセン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、ジェシカ・ウィリアムズ、デイビッド・イェーツ監督がリモートで生出演した。また本作の日本公開は米国より1週間早く、日本市場重視が表れた。
『魔法使いの旅』の総興収は73.4億円、『黒い魔法使いの誕生』は65.7億円。『ダンブルドアの秘密』は両作にどこまで迫れるだろうか。(文:相良智弘/フリーライター)
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