1973年から10年間に渡り「週刊少年マガジン」に連載され、釣りブームを巻き起こした伝説のコミックを映画化した『釣りキチ三平』が、3月20日公開初日を迎え、キャスト・スタッフが都内劇場で舞台挨拶を行った。
登壇したのは、主人公・三平三平(みひら・さんぺい)を演じた須賀健太をはじめ、塚本高史、香椎由宇、土屋太鳳(たお)、渡瀬恒彦、滝田洋二郎監督、原作者の矢口高雄。詰めかけた観客を前に感激した様子の須賀。最近あったおめでたいことについて聞かれると、「今日がかなりおめでたくて……。言葉で表せないくらい嬉しいです。昨夜は布団の中で興奮してしまって。今日は最高にいい日です!」と話していた。映画の中とは一転、短めにしたこの日の髪型について聞かれると、「今日のために……(笑)。気合い十分です!」と笑顔を浮かべた。
さらに、こちらも映画とは打って変わり、アフロヘアの塚本は、公開初日を迎えたこともめでたいとした上で、「(ワールド・ベースボール・クラシックで)キューバに勝ったことですかね」とコメントしていた。女優としてスタートしたばかりの土屋も、「この日を迎えられたことが嬉しい」と満面の笑み。元々舞台挨拶を見ることが趣味だったそうで、今度は登壇する立場に立てたことが嬉しくて仕方ないといった様子だった。
『おくりびと』でアカデミー賞を受賞してからは、本作が初めての公開作となる滝田監督。「去年の夏、秋田で約2カ月間に渡って一生懸命撮りました。秋田の方も知らないような場所でも撮影をしました」と撮影を振り返り、「たくさんのお客様が来て下さってとても嬉しい」と感謝の言葉を述べていた。
大人の女性では、この日の紅一点である香椎だったが、体調を崩して声が出ないとのことで、隣に立つ渡瀬が彼女の思いを代理コメントした。渡瀬に、苦しそうなかすれ声でコメントを告げる香椎。渡瀬が、「本当に今日は来てくださってありがとうございます。こんな声で本当にすみません」と、代理で語ったその直後、自分の言葉で感謝を伝えられないことが悔しかったのか、香椎の目にはみるみる涙があふれ出し……。みんなが心配そうに見守る中、渡瀬に背中を支えられて優しく励まされた香椎は、なんとか涙を止めて弱々しい微笑みを見せていた。
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