人気マンガ家・西原理恵子の自伝的作品を映画化した『女の子ものがたり』。4月22日、この映画の完成披露試写会が行われ、主演の深津絵里、大後寿々花、福士誠治、波瑠、高山侑子らキャストと森岡利行監督、原作者の西原が登壇し、撮影の思い出などを語った。
元々、原作のファンだったという深津は、「原作の魅力を一言で表現するのは難しいのですが、心の底の底の底の奥のほうが刺激され、心を揺さぶられて、出会えて良かったと思っていたところにこの映画の話がきたので、びっくりしました」と感慨深げ。一方、自らを投影した主人公を深津が演じたことについて西原は、「深津さんが演じると聞いた時、私の半分くらいの(体型の)人が私を演じるなんてどうするんだろうと思いました(笑)」とコメント。映画作りには直接携わっていないだけに、「今日、一番、気楽なのが私。みなさんの女優魂をしっかり見せてもらいたい!」と、緊張気味のスタッフ・キャストを横目に余裕の表情を浮かべていた。
撮影を振り返り、監督の厳しさについて語ったのは、少女時代の主人公の親友を演じた波瑠。「(撮影の時は)監督が恐くて、厳しくて(笑)。でも、厳しく接してもらえたおかげでできたお芝居もあると思います」と恐さに耐えた成果を語った。
マンガ家である主人公の担当編集者を演じた福士は、初顔合わせの深津と犬との“3人”の撮影がほとんどだったという。人間同士はスムーズに撮影できたが、犬の演技はなかなか難しく、“犬待ち”状態が多かったようだが、「(犬が)とてもいい芝居をしてくれた」と満足げ。映画については、「女の子の話なのですが、僕が子どもの頃に感じたような感覚も描かれていて、男性が見てもとてもオモシロイ作品」だと話していた。
この日は、映画の内容にちなみ、みんなで子どもの頃の夢を書いた紙をタイムカプセルに入れてのヒット祈願も行われた。
「ペットショップの店員になりたかった」というのは高山。「動物が好きなので獣医さんにもなりたかったのですが、資格をとるのが大変そうだったので」と夢をマイナーチェンジした思い出も語っていた。野球選手になりたかったという福士も、「高校野球の時期になって、坊主頭がいやでやめました」と笑顔で“挫折”を振り返った。主人公の少女時代を演じた大後は、幼稚園の頃からバレエを習っていたため、「バレリーナになりたかった」と話していた。
「特に夢はなくて、とにかく大人になりたいと思っていました」というのは深津。「薬剤師や歯医者に興味があった」そうだが、友人の言葉にもすぐに影響されてしまうタイプだったようで、現実派でありながらも流されやすい性格だったのかも……。
『女の子ものがたり』は、今年の晩夏に渋谷シネクイントほかにて全国公開される。
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