Netflix初の会員数マイナス
動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)は、4月19日(現地時間)に発表した22年1~3月の会員数が過去10年で初めてマイナスに転じ、4~6月期も減少が続くと予測している。
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3月末の会員数は世界で2億2164万人で、21年12月末と比べて20万人減った。2012年以降で、会員数の伸びがマイナスに転じたのは初めてだ。ネットフリックスは決算リリースで「ウクライナ侵攻を機にロシア事業を中断し、70万人分の減少要因になった。ロシアの影響がなければ50万人の増加を保てた」と説明している。だが、1月に値上げした北米の会員数が3ヵ月で64万人減ったほか、中南米でも35万人減だ。日本を含むアジアで109万人増えたのを除き、多くの地域でマイナスだ。Netflixでは4~6月期も、世界の会員数が3月末と比べて200万人減ると推測している。
Netflixでは、会員数減の原因をロシア事業のほか「パスワード・シェアリング」(友人同士でアカウント・パスワードを共有し料金を払わずに視聴している)と動画配信市場での競争の激化をあげている。同社では「パスワード・シェアリング」での視聴が1億世帯に上ると分析している。
アカデミー賞躍進も、投資計画見直しの可能性も
Netflixは今年コンテンツ製作に180億ドルを投資すると明らかにしていたが、スペンサー・ノイマン最高財務責任者(CFO)は「会員数の減少に鑑みて投資計画を見直すかもれない」と述べている。
リード・ヘイスティングス共同最高経営責任者(CEO)は「(コンテンツ配信の合間に)広告を入れて月額料金を安くするプランを検討している」と明らかにした。ネットフリックスのライバルであるHuluやHBO Maxは、既に広告付きプランを実施しており、Disney+(ディズニープラス)も今年後半に実施すると発表している。
動画配信市場は20年からコロナ禍で急激に伸びてきたが、22年は転機を迎えているようだ。会員数が初めて減少したNetflixに対し、最大のライバルであるDisney+の会員数はどう推移しているのか。会員数が明らかになるウォルト・ディズニー・カンパニーの22年1~3月期決算は、5月11日(現地時間)に発表される。(文:相良智弘/フリーライター)
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