「直接話したことも寝たこともない。それでも本当に恋人と言えるのでしょうか?」──新星女流脚本家が分析するミレニアル世代の“愛”
#エイドリアン・トミネ#ジャック・オーディアール#セリーヌ・シアマ#パリ13区#フランス#フランソワ・オゾン#ラ・フェミス#レア・ミシウス
『パリ13区』共同脚本の新星レア・ミシウスとは?
ミレニアル世代の男女4人の孤独や不安、愛やセックスにまつわる人間模様を描き、2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、ジャック・オディアール監督×セリーヌ・シアマ脚本の話題作『パリ13区』が4月22日に公開される。いよいよ公開が迫り話題の本作品において、シアマと共同で脚本を務めた89年生まれの新星レア・ミシウスに注目が集まっている。
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ミシウスは、名匠フランソワ・オゾン監督らを輩出した世界屈指の名門映画学校ラ・フェミスで映画技術を学び、脚本家そして監督として才能を発揮。初の長編映画監督作となる『アヴァ』がカンヌ国際映画祭のカメラ・ドールを含む4部門でノミネートされ、「美しく知性溢れる長編デビュー作」(VARIETY誌)「性の目覚めを確かな感覚で描き出す。肉体と官能の美がときに弾けるようにこぼれる瞬間が眩しい」(LES INROCKS誌)と絶賛されるなど、現在フランスで最も注目を浴びる若手映画作家の一人である。
このたび共同脚本に大抜擢され、オディアールとシアマによって作成されたシナリオを元に、原作者エイドリアン・トミネの3作品を2人と共同で編成する形で脚本を完成させていった。そのため、物語にはこれまでのオディアール作品とはまた違ったシアマとミシウスならではの視点が散りばめられている。
彼女は脚本制作時を振り返り、次のように述べる。
「ジャックは会話のシーンを多く入れることを望んでいました。演技の中では常に会話が求められ、とくにエミリーとカミーユとの間で強く要求されました。この2人は直接話し、ベッドを共にする間柄です。しかしそれで彼らは愛し合っていると言えるのでしょうか? 2人の関係とは一体何でしょう? 関係性を名づけるということは必要なのでしょうか? 一方で、ノラとアンバー・スウィートは直接話したこともなければ寝たこともありません。それでも彼女たちは恋人同士であろうとします。しかしそれは本当に恋人であると言えるのでしょうか? こうした問いや謎に包まれた、まるで迷宮のようなこの映画を私は愛おしく思いますし、登場人物たちが歩む入り組んだ道の中に、見る側は愛や自分自身を見出すのではないかと考えています」
そんなミシウスが監督を務める最新作では、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスを 主演に迎える。こちらも注目したい。
70歳の鬼才ジャック・オディアールが洗練されたモノクロで魅せる!
本作品は、今年70歳を迎える鬼才ジャック・オディアール監督が、『燃ゆる女の肖像』で一躍世界のトップ監督となった現在43歳のセリーヌ・シアマと共同で脚本を手がけた“新しいパリ”の愛の物語。
舞台となるパリ13区は、高層住宅が連なり多文化で活気に満ちた現代のパリを象徴するエリア。コールセンターで働くエミリーと高校教師のカミーユ、32歳で大学に復学したノラ、そしてポルノ女優のアンバー・スウィートという若者たちが織りなす不器用で愛おしい恋愛模様が描かれる。
原作は、今最注目の北米のグラフィック・ノベリスト、エイドリアン・トミネの3つの短編。『モード家の一夜』や『マンハッタン』にオマージュを捧げながら、洗練されたモノクロームで映し出す、誰も見たことのなかったパリがここにある。
『パリ13区』は、4月22日に公開される。
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