イスラエル発の新作映画『パレスチナのピアニスト』が7月2日より全国順次公開される。
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アヴィダ・リヴニー監督「ロシア語もアラビア語も話せないので…」撮影の苦労明かす
本作は、アヴィダ・リヴニー監督が手がけるイスラエル発の音楽ドキュメンタリー。パレスチナのラマッラに住む青年モハメド・“ミシャ”・アーシェイクの父はパレスチナ人、母はロシア人、そしてピアノの先生はユダヤ系イスラエル人。紛争、人種、宗教、国境、そして新型コロナ。数々の壁に翻弄されながらも、ミシャがプロのピアニストを目指し奮闘する様を描く。
プロのピアニストを夢見るミシャは、才能ある10代のピアニスト。ピアノを始めてわずか3年後には国際ピアノコンクールで優勝した。それも1日3、4時間という限られた練習時間で。練習時間が少ないのは、彼が住んでいる場所が特殊な場所だからだ。ミシャの父はパレスチナ人、母はロシア人で、一家はイスラエルと紛争を抱えているパレスチナ自治区のラマッラに住んでいる。ピアノの先生はロシア出身のユダヤ系イスラエル人で、レッスンを受けるため、検問所を経由して3時間かけエルサレムに通っている。決して恵まれた環境でない中で、ミシャはパレスチナ、イスラエル、ロシアを行き来しながら次第に才能を開花させてゆく。将来は医師になれという父からのプレッシャー、自由に行き来できない国境、そしてコロナ禍という障害が加わるも、ミシャはピアニストとして幸せな人生を生きる夢を叶えるために挑戦を重ねていく。
アヴィダ監督は、ミシャとの出会いについて「映画プロデューサーの一人、エイタン・エヴァンが 12 歳の時にコンサートでミシャを見て、彼についての映画を作るのはいいアイデアだと思いました。ありがたいことに、彼とパートナーのウディ・ザンバーグが私に監督を依頼してくれたのです」とコメント。
最も苦労した点を問われて「私はロシア語もアラビア語も話せないので、話せない言語でドキュメンタリーを監督することが最初の難関でしたが、そこにこだわりました。一緒に仕事をする人たちにも協力してもらい、スタッフのうち1人はロシア語話者、1人はアラビア語話者がいるように求めました。もうひとつは、映画が政治的文脈にならないようにすることです。映画に『悲鳴』を上げさせたくはなかったのですが、イスラエルの映画制作者がパレスチナ人にカメラを向けるということは、何が起ころうとも、十分に政治的です…。もうひとつの障害は、新型コロナウイルスパンデミックの影響で、ミシャの計画が台無しになり、エンディングの撮影がしばらくできなかったことです。世界中の人々が最悪の問題を抱えているのに、映画に文句を言うのはおかしいですが、それが私のケースでした。そして、その後幸いにも緊張感のあるエンディングを迎えることができました」と語っている。
『パレスチナのピアニスト』は7月2日より全国順次公開。
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