6年間育てた息子は、病院で取り違えられた他人の子どもだったという、子どもの取り違えをテーマにした『そして父になる』。この映画の観客からの質問に答えるティーチイン・イベントが10月28日に新宿ピカデリーで行われ、是枝裕和監督と、サプライズゲストとして福山雅治が登場した。
福山の登場を知らされていなかった観客は、このサプライズに大興奮。最初に指名された女性ファンは、のっけから「福山さん、大好きです」と愛の告白。いきなりの告白に少々面食らった様子の福山が「僕も大好きです」と返すと、今度は「私の父になってください」と懇願され、福山が「父にですか?」と声を裏返す場面も見られた。
そんな彼女はこの映画を見るのが2回目だそうで、「すみません、まだ2回しか見ていなくて」と言うと、「ラスト、どうなっていくんだろうと、続きを見てみたい気がしたのですが、監督はどうなっていくと考えていますか?」と質問。これに是枝監督は「決して曖昧にしたつもりはないんですけど、きっとあれから、2つの家族が1つの家に入っていって、これからのことは2つの家族で考えていくのかなと思いながら作りました」と答えた。
さらに最初と最後で福山の表情が全然違っていて、すごく優しいお父さんの表情になっているという女性からの指摘には、福山が「子どもたちに導かれていった作品だったので、自分で意図してこう演じようと思ったというより、むしろ子どもたちや監督から引き出されたんじゃないかな」と回答。
そのまま話はラスト近くの、川沿いの道を福山演じる良多が、血の繋がらない息子・慶多を追いかけていく感動シーンへと移り、是枝監督が「こういうお芝居をしようと思っていたこと以上の何かが、慶多の後姿を見ているときに出ましたよね」と福山に問いかけると、福山も「3テイク撮ったのですが、1回目では、はからずも号泣してしまいました」と撮影裏話を明かしていた。
また、「福山さんの大ファンです。20年間ファンをやってます」という女性ファンからは、自身が演じた良多とリリー・フランキー演じるもう1つの家族の父親と、どちらのタイプの父親になると思うかと聞かれ「たぶん良多方面」と回答。その理由について福山は「一応、こういう仕事をやっているので、いい学校に入れるようなことをするかも知れない(笑)」と答えると、子どもに対しては「こういう風にもできるよ、イヤだったらやらなくていいよという風に選択肢がある環境を作ってあげたい」と、自身が望む父親像にも言及していた。
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