囚人番号「77番」の入れ墨…アウシュヴィッツのボクサーの知られざる実話
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『アウシュヴィッツのチャンピオン』ポスタービジュアル公開
戦争がどれほど悲惨で人を狂わせるのかを改めて見せつけられているいまこそ見たい、ホロコーストを生き延びたボクサーの実話を描いた映画『アウシュヴィッツのチャンピオン』が、7月22日より全国で順次公開される。このたび、ポスタービジュアルが公開された。
本作品は、アウシュヴィッツ強制収容所で司令官や看守らの娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、生きることを諦めずリングに立ち続けた一人のボクサーの実話を基にしたヒューマンドラマ。
モデルとなったのは、実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキ。彼は、看守やカポ(囚人の中の統率者)を相手に数十戦の勝利を収め、囚人仲間にとってナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴となった。元囚人たちの証言や本人の記憶をもとに、彼が歩んできた半生を映像化した。
世界を震撼させた“悪”を描くだけでなく、それに対抗する“希望”について描いた本作品の監督を務めたのは、ポーランド出身でホロコースト生存者の孫でもある、マチェイ・バルチェフスキ。スティーヴン・キングの物語を映画化した短編デビュー作『My Pretty Pony』(17年)は、ロサンゼルス映画批評家協会賞をはじめ数々の賞を受賞している。
長編デビュー作である本作品については、次のように思いを語った。
「人間の歴史の中で最悪な条件下で彼が戦い、そして勝利したという事実は、乗り越えられない障害はないという希望を私たちに与えてくれます。私たちは皆、それぞれのリングに立つ戦士なのです。希望が全て消えそうになり、最悪の状況に陥ったとしても、前を向いて戦い続けることの大切さを思い出させてくれます」
主演は、『イレブン・ミニッツ』(15年)『ダーク・クライム』(16年)など、60本近くのポーランド映画に出演し、『Bogowie』(14年)ではイーグル賞で最優秀助演俳優賞を受賞した、ピョートル・グウォヴァツキ。本作品では、屈強な肉体と精神を兼ね備えたボクシングチャンピオンの役を演じるためにクランクインの数ヵ月前からトレーニングを重ね、肉体改造を実践、スタントマンなしで過酷な撮影に臨み、死の淵に立ちながらも生きることへの不屈の闘志と尊厳を保ち続けた主人公を力強く演じ切った。
数々の映画賞を受賞した“実話”ベースの物語
本作品は、20年ポーランドで最も権威のあるグディニャ映画祭で金獅子賞受賞、22年同国のアカデミー賞とされるイーグル賞で4部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、主演男優賞)を受賞し話題を呼んだ映画。
第2次世界大戦最中の1940年。アウシュヴィッツ強制収容所に移送される人々の中に、戦前のワルシャワで、“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピトロシュコスキがいた。彼には「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、司令官たちの娯楽としてリングに立たされることに……。
『アウシュヴィッツのチャンピオン』は、7月22日より全国で順次公開される。
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