映画『ペコロスの母に会いに行く』の特別試写会が“介護の日”である11月11日にスペースFS汐留で行われ、上映前に行われた舞台挨拶にW主演の岩松了と赤木春恵、加瀬亮、森崎東監督が登壇した。
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同作は、長崎在住のマンガ家・岡野雄一の同名エッセイマンガを映画化。ペコロスとは小さなタマネギのことで、頭がハゲている岡野の愛称でもあり、作品は認知症の母と、バツイチ・ハゲちゃびんの僕(雄一)との愛おしくもホロリと切ない毎日を綴ったものだ。
主人公のペコロスこと雄一を演じた岩松は、W主演について「普段は出てきて、失礼しましたと去るような役が多いんですけど、(今回は)割と長い時間出ている」と主演であることを出演シーンの長さで実感したようで、ハゲヅラについては「3時間かかるんです、朝」と説明。赤木との母子役共演については「赤木さんって本当にフワフワした人で、うちの母親はもうちょっとキツイ感じの人だったので印象は違いますが、(赤木に)飲み込まれるような気がしました」とコメント。これに赤木は「本当にこんなフサフサしているのに、朝6時頃から頭をメイクして」と答え、笑いを誘っていた。
また、89歳になったという赤木は「昭和15年に映画界に入りまして、この映画で幕を引くことになるんじゃないかと思いながら演じておりました。このお仕事(のオファー)をいただいたときに、台本に目を通さないうちに森崎東先生が監督をすると伺い、『私、出させていただきたいです』と答えました。それほど私は森崎先生を尊敬しております」と話し、監督への敬意や、これが最後かもしれないという思いで撮影に臨んだことを明かした。
一方、森崎監督作品には『ニワトリはハダシだ』(04年)以来の出演となる加瀬は「森崎監督のファンですから、パソコンで監督の動きを調べていたところ、この映画の話が書いてありまして、作品を待っていました。そしたら運良く声をかけていただいたので、すぐにやりたいですと返事をしました」とコメント。また本作での役どころが岩松扮する雄一の父親だということを加瀬が話すと、横から岩松が「みんなに逆だろって言われるんです(笑)」と話し会場を沸かせた。
その森崎監督は85歳。今回の撮影で大変だったことを聞かれると「ズバリ申し上げますと、私自身が全部演じるべき作品だったと思います」と回答。理由については「要するに、(自分は)相当ボケが進んでいますので」と続け、そんなユーモア溢れる答えに会場からはクスクス笑いが漏れ聞こえていた。
また赤木については長い間女優として活躍しているのはギネス級だと述べると、「付き合いやすい方で、俳優のお手本だと思っております。行く末久しくよろしくお願いします」と語った。
この日は一青窈も登壇し、映画について「信じられないくらい号泣しました」と語ると、主題歌「霞道(かすみじ)」を熱唱。『ペコロスの母に会いに行く』は11月16日より全国公開となる。
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