「赤ちゃん売るんでしょ?」──家族旅行に見せかけた密売人の末路

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ベイビー・ブローカー
『ベイビー・ブローカー』

『ベイビー・ブローカー』特報映像公開

第75回カンヌ国際映画祭(5月17日〜5月28日開催)「コンペティション部門」への正式出品が決定した是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』が、6月24日に公開される。このたび、特報映像が公開された。

・公開された特報映像はコチラ!

公開された特報映像は、冒頭、古びたクリーニング店を営みながらも裏で赤ん坊の売買をするベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)の「まあ、一言でいうなら、善意ってことかな」というセリフと共に、ある雨の日に赤ちゃんポストから連れ去られた小さな赤ん坊の姿が映し出される。

家族のように見せかけながら、韓国各地を旅して買い手となる養父母を探すサンヒョンと相棒のドンス(カン・ドンウォン)。ドンスは赤ちゃんポストがある施設で働く児童養護施設出身者だ。

映像はやがて、成り行きで2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨン(イ・ジウン、IU)との“家族旅行”を「知ってるよ、家族じゃないこと。赤ちゃん売るんでしょ?」と見破られるシーンや、彼らを検挙するため尾行を続ける正義感に溢れた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)の2人も描きだす。

赤ちゃんを高く売る、それだけのはずだった彼らの旅は、思いもよらない展開と結末に向かっていく──。

映像は、冒頭の軽口で発せられたセリフとはうって変わり、「幸せにしてやるからな」という一見優しく聞こえる言葉と、純粋に旅を楽しんでいるようなサンヒョンたちの姿で締めくくられる。

韓国を代表する名優たちが、是枝演出によって、韓国作品とは一味違った表情を見せる様子も垣間見える予告編に、作品への期待が高まる。

是枝裕和監督初の韓国映画

本作品は、是枝監督が韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画の映画化。

古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストがある施設で働く児童養護施設出身のドンスは、ある土砂降りの雨の晩、若い女・ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状す る。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きで、彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事・スジンとイは、是が非でも現行犯で逮捕しようと静かに後を追っていくが……。

『ベイビー・ブローカー』は、6月24日に公開される。