山田洋次監督の82作目となる最新作『小さいおうち』。この映画の完成披露舞台挨拶が11月28日に丸の内ピカデリーで行われ、松たか子、黒木華、吉岡秀隆、木村文乃、妻夫木聡、倍賞千恵子、山田洋次監督が登壇した。
同作は2010年に直木賞を受賞した中島京子の同名ベストセラー小説を映画化した作品。
昭和初期、東京郊外に佇む赤い屋根の家に奉公した女中タキが見た、ある“恋愛事件”。そのときタキが封印した“秘密”が60年の歳月を超えて紐解かれていく。
映画完成の手応えを聞かれた山田監督は「手応えはこれから。作っているスタッフには本当にわからないんです。どんな映画になったのか。どんな風に観客に伝わっているのか。『寅さん』を作っているときも、この映画みんな笑うのかなと、そんな不安のなかで作っていて、実際にお客さんが笑ってくれるのを見て、やっぱりおかしいんだって思ったりする。この映画も同じです。ただ、一生懸命作ったという、そのことだけをあてにして、今、ここに立っています」と話した。
また、この日は“家族の秘密”が描かれた本作にちなんで、それぞれが知っている山田組の今だから明かせる秘密をばらす演出も。
『隠し剣 鬼の爪』以来9年ぶりに山田監督の撮影現場に戻ってきた松は「面白いことがたくさんありました。私はその現場を直接目撃できなかったんですけど、印象的だったのは、黒木華ちゃんと向かい合って会話している場面で、私の後ろの方から監督がドン!ドン!ドン!と地団駄を踏んでいる音が聞こえてきたこと。私、地団駄を踏む人なんてマンガ以外で見たことなかったんです」とニッコリ。
山田組初体験だった黒木は、今回の役では割烹着を着ていて、山田監督から「本当に割烹着が似合う」と言われたそう。すると山田監督が「そうですね。日本一でしょう」と壇上で太鼓判を押し、黒木も「映画のポスターを見てくれた人からも、平成生まれなのに割烹着が似合うと言われて、でもすごく嬉しいです」と話した。
『男はつらいよ』シリーズで山田組をよく知っている吉岡は、山田監督との仕事について「修行みたいな感じです。身振り手振りで監督が時子さん(松たか子)に成りきって、ご指導してくださるので、松さんとよりも、監督とお芝居する回数の方が多かったかもしれない」と語り笑いを誘った。
『東京家族』に引き続き、2作連続での山田組参加となった妻夫木は「『東京家族』を撮っているときに、『次もお願いしたい』と山田さんからおっしゃっていただいて、嬉しくて親に電話しました」とコメント。
また、山田監督とは『男はつらいよ』をはじめ50年以上に渡って仕事をしてきた倍賞は「撮影は9時に始まって、17時には終わりなんですけど、ある日、山田監督が3時頃に『俺、腹減っちゃったから、撮影やめちゃおうかな』と言っていたのが秘密かな。山田監督はお腹が減ると機嫌悪くなっちゃうし、お肉を食べるのがとても好きなんです。だから山田監督が元気のないときは、みんなで『お肉食べさせよう』って言ってました」ととっておきの秘密を明かしていた。
『小さいおうち』は2014年1月25日より全国公開となる。
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