今日、5月7日は博士の日。1888年のこの日、植物学者の伊藤圭介、数学者の菊池大麓、物理学者の山川健次郎ら25人の学者に日本初の博士号が授与されたことにちなむ記念日だ。そこで本日は、博士が登場する映画を紹介したい。ただし、今回取り上げるのは、「トチ狂ったマッドサイエンティスト」と「落ちこぼれ博士」だ。
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人間を繋げたい…狂気の医師が抱いた恐るべき野望『ムカデ人間』
まず紹介するのは、「トチ狂ってる」方の博士だ。『ムカデ人間』に登場するヨーゼフ・ハイター博士は、シャム双生児の分離手術で知られるドイツ人外科医。そんな、元々人間を「切り離す」側だった彼が、いつしか「繋げる」ことに興味を持ち始めてしまう。
「繋げる」とは、文字通り複数の人間の口と肛門を合体させるという意味だ。ハイター博士の理屈では、人間同士を胃系統で繋げることで、“先頭の人”の口から入った食べ物は“真ん中の人”の消化器を通過し、“後ろの人”の肛門から排出されるのだという。作中でハイター博士がその方法を丁寧に説明してくれるのだが、理屈はわかっても狂っているとしか言いようがない。
こうして“先頭”のムカデ人間にされてしまった、日本人のカツロー。英語やドイツ語が一切喋れないため、バリバリの関西弁で博士を罵りまくる。そのカツローが、“後ろ”の2人を引き連れて豪邸からの脱出を目論むのだが…。
運動会のムカデ競争がごとく「いち、に! いち、に!」と叫びながら歩く姿はかなりシュールなのでぜひ見てほしい。ちなみに本作は3作目まであり、『ムカデ人間2』では12人が、『ムカデ人間3』では500人が繋がるようだ……想像するだけで恐ろしい。
落ちこぼれ博士は地球を救えるのか? 『ドント・ルック・アップ』
不気味なカルトホラーを紹介した後は、ハリウッドスター、レオナルド・ディカプリオ主演作で気分を変えたい。『ドント・ルック・アップ』でディカプリオが演じるのは、「落ちこぼれ気味の博士」ランドール・ミンディだ。
天文学者であるミンディ博士は、教え子と共に地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走する。地球滅亡系のパニック映画なのかと思いきや、本作が焦点を当てているのはSNSやメディアに踊らされる人々の姿。画面の外から見ていると非常に滑稽に感じるが、コロナ禍というパニックを経験した私たちにとっては、同時にかなりリアルにも感じられる。
混乱した状況下で、唯一まともなのはミンディ博士のみかと思いきや、ミンディ博士もわりとダメ男。彗星の衝突の事実を訴えるために出演したテレビ番組で人気が出て浮かれ、挙句、司会者と浮気までしてしまう!
地球滅亡の危機なのに浮気なんてしている場合…? と呆れそうになるが、ちょっとぽっちゃりしたディカプリオが演じるミンディ博士はダメだからこその愛くるしさがあり、どうも嫌いになれない。そんなミンディ博士の魅力に注目して、ぜひ本作を見ていただきたい。
ゴールデンウィークに気になる映画を見尽くした人は、週末はぜひ「博士」の映画を。グロい系がお好きなら『ムカデ人間』シリーズ1~3を制覇してみるのも悪くないかもしれない!? (Y)
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